“無印” 、海外事業の利益は中華圏(牛田 賢)

2016/01/21 16:14 更新


増収増益を続け、とりわけ中国事業が絶好調である、良品計画(“無印良品”を運営)の2016上半期(2015.8m)地域別の売上・営業利益、店舗数の推移などを紹介します。

 ❏12月12日にオープンした上海“世界旗艦店”

 


 

最終ページでも、上海“世界旗艦店”に関する情報をお届けします。 ❏2016年上半期の売上、営業利益、営業利益率について説明します。 ☞売上は「国内」が最も大きい。営業利益率は「東アジア」が圧倒的に高く、「国内」の2.2倍である。

☞海外事業の営業利益は、100%「東アジア」に依存している。

 



☞東アジア地域の内、売上の93%はグレーター・チャイナ(=中国本土、香港、台湾の合計)である。

 

 

■2016上半期「決算報告会」では、下記の内容が公表されている。

 東アジア事業<中国、香港、台湾、韓国>

海外事業の全利益、連結営業利益の約5割を生み出す。

○中国:前期の納期遅れによる反動、在庫水準上昇による単品パワーアップで売上大幅増。

値下げの抑制も進み、売上総利益率が向上

○台湾:前期の価格見直しと送料無料の施策減の反動で売上微増も利益は向上

○香港:香港内インバウンド需要が減退する中、好調を維持

○韓国:MERSの影響により、店頭売上が大きく落ち込む

欧米事業<イギリス、フランス、USA、カナダ、スペイン、ポルトガル>

大幅な赤字を計上。再建計画を実行中。

西南アジア、オセアニア事業<シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリア>

○シンガポール:主力店を中心に売上好調を維持

○マレーシア:消費税導入駆け込み需要で売上増、反動の売上減も期末までに落ち着く

○タイ   :売上好調、プロパー販売が伸び利益改善

○オーストラリア:5月オープンのシドニー新店が計画を大幅超過

 ❏各種データ

 


(出所:良品計画IR資料をもとに筆者作成)


“世界旗艦店”  上海市黄浦区淮海中路755 (売り場面積840坪:中国最大)

オープン以来毎週末、入場制限を実施。平日も食品、雑貨フロアは「すれ違う際にお客同士、体がぶつかるくらい」混雑し、レジは常に行列ができている。日本では見ることのできない光景である。

12/21(月)午後13:30頃、上海“世界旗艦店”の様子(下記の写真はすべて、筆者撮影)。

 


1F 正面入り口


アパレル


Tシャツ

 
ライブラリー

 
食品、本


カフェ



牛田(上海)投資咨詢 有限公司・総経理  1993年京都大学卒業、大手総合商社に入社。グローバルサプライチェーンに関する営業、中堅アパレル企業の出資会社にて代表取締役、老舗子供服アパレル(投資ファンドによる企業再生)にて執行役員商品事業部長、海外事業部長、子会社の代表取締役などを歴任。2012年から現職。



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