クラボウは、建設業や製造業、運送業に向けた暑熱下の作業リスク管理システム「スマートフィット・フォー・ワーク」を開発し、28日から受注を始める。大阪大学などとの連携でリスクをリアルタイムに推定する独自のアルゴリズムを開発。心拍や温度、加速度を計測するスマート衣料「スマートフィット」を使い、気象状況や体調、作業状況などの情報を収集、リスク情報を作業者や管理者に通知し、製造現場での作業リスク低減を目指す。
【関連記事】クラボウがテキスタイルイノベーションセンターを新設
スマートフィットは、信州大学との連携で着用感の改善と生体データの計測を両立できるデザイン、素材へと改良した。ポリエステル・スパンデックス混の経編みを使用したコンプレッションインナータイプで、ストレッチ性が高く男女ともに使用できる。
システム面ではリスク情報の個別最適化にも取り組んだ。17年に延べ7000人の生体情報を収集、当日の気象条件などを統合し、アルゴリズムを開発した。個別の作業強度および熱ストレスからリスクを計算するほか、自動学習機能も搭載し、個別の平常時の状況を認識する。胸部の生体センサーからスマートフォンなどにデータを送信し、気象状況なども含めリスク情報を通知する。管理画面の見やすさも特徴で、随時全体および個別のリスク把握が可能。データを個人IDにひもづけることで人員の増減にも柔軟に対応する。
1ユーザー当たりの生体センサーやスマートフォンを含めた初期設定費用は3万円で、月額利用料は6000円。スマートフィットシャツは1枚4000円で販売し、5サイズで展開。今後はスポーツ分野や学校、高齢者に向けた活用なども視野に入れる。