クラボウがテキスタイルイノベーションセンターを新設

2018/03/30 04:28 更新


 クラボウ繊維事業部は、4月1日付で愛知県安城市の工場内に開発・研究拠点となるテキスタイルイノベーションセンター(TIC)を新設する。商品開発グループ、生産システム開発グループ、技術支援グループからなり、各工場などから選抜した二十数人の紡織加工縫製の技術者が常駐する。立ち上げに数億円を投じ、新たな商品開発やスマートファクトリーに向けた研究などを進める。

 安城工場には紡績2工場と織布1工場があり、そのうちの紡績1工場をTICの建屋として活用する。織布は安城工場を利用し、試紡設備をはじめテキスタイルまでの試験生産設備を揃える。最大の人員となる商品開発グループは、スマートウェア「スマートフィット」向けのテキスタイル開発や、色落ちしにくいデニム調素材「アクアティック」の生産技術の向上などを目指す。一定のサンプル開発などは従来通り各工場で行うが、TICでは紡織加工の連携を推進。事業部直轄の独立した開発組織として、消費者目線で新しいビジネスモデルまで見据えた商品開発に挑む。

 生産システム開発グループは、スマートファクトリー実現に向けた〝見える化〟や省人化、自動化を研究開発する。工場内のセンサー設置などが一部で進みつつあるため、そうしたデータ活用も担当する。技術支援グループは現場のベテラン作業者のビデオ撮影や動作分析など、技術伝承を試み、ゆくゆくは海外工場への技術支援にも生かす。

 繊維事業部でこうした開発研究拠点を作るのは初めて。創立130周年で発信したメッセージである「面白いことやってやろう。」にちなみ、「面白いことをやれる場所を作った」(北畠篤代表取締役常務執行役員繊維事業部長)として、今後の商品開発に期待する。

安城工場内で1万5000平方メートルの建屋を活用


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