熊本地震 小売業営業再開の動き

2016/04/20 17:19 更新


 熊本地震で余震が続く中でも現地のファッション小売業に営業再開の動きが出てきた。「できるだけ早く、街が通常の営みを取り戻していくことが大切」(ベイブルック)、「こんな時に店を開けていいのかとも思うが、集まった子供向けの物資を配布するためにも開けることにした」(子供服専門店のコグマ)など、販売度外視で日常生活の回復に向けて動き出している。

 ベイブルックは20日から、熊本市内の路面店8店で時間を限って営業を再開した。従業員二十数人が自宅外で生活している状況で、出勤が可能な従業員だけで店を開いた。「スタッフが顔を合わせることで元気が出る」ことも、あえて営業再開した理由の一つという。

 コグマはゆめタウンなどSC内の4店は休業のままだが下通り商店街の本店は19日に営業を再開した。「売れるとは思っていないが必需品の配布もできれば」と、おむつや粉ミルク、生理用品などを無料配布している。

 一方で下通り、上通り商店街ともシャッターの下りた店舗がまだ圧倒的に多く、大型店の鶴屋百貨店、熊本パルコ、あうね熊本は休業状態が続いている。鶴屋の食品スーパーのフーディーワンは19日から3店の営業を再開したが、百貨店など中心部の4館は断水が続いていることもあって、営業再開の見通しが立たない状態だ。安全確認に時間を要する本館以外の3館で、「何とか大型連休前には再開したい」としている。

 イオンモール熊本の核店舗のイオン熊本店も20日から1階食品売り場で営業を再開した。地震発生後は店外で臨時営業していたが、売り場の整理を終えて再開した。専門店モールは休業が続いている。(青木修治、古川伸広)

シャッターが下りたままの鶴屋百貨店本館
シャッターが下りたままの鶴屋百貨店本館

 



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