熊本地震 福岡中心部施設に影響

2016/04/19 17:42 更新


大型連休の集客、不透明

 16日未明に発生した熊本地震本震は、福岡都心の商業施設にも影響を及ぼしている。16日はJR九州や西鉄の運転見合わせが相次いで集客減となった施設が多く、一部で建物の安全確認のために開店時刻を遅らせる施設もあった。18日以降はおおむね通常の集客状況に回復しているところが多いが、大型連休時の集客やインバウンド(訪日外国人)の来店については「先行きが読めない」との声が出ている。各店、募金箱の設置などできることから支援活動も始めている。

 九州新幹線の運行停止が続くJR九州グループのアミュプラザ博多では、16、17日の入館者数が10%程度減少、隣接地にキッテ博多が午後4時からプレオープンした18日は一転して2・7%増加した。鉄道の混乱の影響がもろに出た土・日曜日だったため、鉄道の復旧次第で「大型連休の集客に響く可能性はある」と見ている。

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 福岡地所運営の施設では、マリノアシティ福岡で地震によるスプリンクラーの一部破損により、数店舗で水濡れの被害が出たほか、安全点検のために16日の開店を正午に遅らせた。キャナルシティ博多ともども16日の来館者は10%程度減少したが、「17日以降は通常の集客に戻った」。インバウンドの来店にも特段の変化は見られず、キャナルシティ博多内の二つのホテルでは、外国人からのキャンセルが出る一方で予約も入ってきており、来日取りやめと、熊本方面から福岡へ行き先を変える動きとが起こっている可能性がある。

 福岡市西区にある地域密着型の中規模SC、木の葉モール橋本では16日の来店客が増加しているという。

 福岡パルコも安全確認とスタッフが揃わない店舗が出たため、16日の開店時刻を1時間ずらした。15~17日の累計入館者数は2割ほど減少、売り上げも約10%減となった。

 ソラリアプラザなど西鉄運営の商業ビル3施設では16日、全て通常通り開店した。15~17日の平均で、売り上げ、入館者ともに数%の減。18日以降は「通常に回復傾向」という。

 岩田屋三越の入店客数は16日5%未満の減、17日微減、18日約5%減。「特に強い影響は感じないが、大型連休やインバウンドの動向は読めない」としている。

18日のキッテ博多(右)プレオープンでアミュプラザ博多の入館者は増加に転じた



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