小松マテーレ 抗ウイルスの新光触媒技術でマスクインナー開発

2020/03/02 06:29 更新


 小松マテーレは、ウイルスを酸化分解する光触媒の新技術を用い、抗ウイルスのマスクインナーを開発した。すでに本生産を開始しており、地元の病院には数千枚単位で寄付する予定。

 東芝マテリアルが技術協力し、1年半がかりで開発した。一般的な光触媒には酸化チタンが使われるが、効果が発現するのは紫外線領域のみのため、暗い場所では効果が出にくいのが難点だった。今回の新技術は特殊な酸化タングステンを使用、可視光領域を含む幅広い光で効果が期待でき、微弱な光でもウイルスを短時間で分解する。

 抗ウイルス性を測る評価では、日本繊維製品品質技術センターによるインフルエンザウイルスを使った接触試験で、昼間の室内レベルに相当する1000ルクスの明るさで6時間後に感染能力が99%低減する効果が確認された。

 小松マテーレは酸化タングステンを特殊な吸着剤と組み合わせることで繊維上に固着させる方法を編み出し、量産加工技術を確立。市販マスクの内側に挟むマスクインナーとして製品化し、小松市民病院への寄付を決めた。

 今後、同技術を使って生活資材、病院介護用資材、マスク、車両内装材、インテリア関連、ユニフォームなどに展開し、3年後10億円の販売を見込む。

インフルエンザウイルス試験で、6時間後の感染能力99%低減


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