アムスの蚤の市がおもしろい(宮沢香奈)

2015/08/25 15:34 更新



オランダの首都であるアムステルダムは小さい街ながら、東京並みに人口密度が高く、街ゆく人と自転車の数に圧倒される。

毎年、音楽フェスの取材で訪れてはいたけれど、弾丸過ぎて全くと言って良いほど観光をしていなかった。今年はバケーションも含めて2週間ほど滞在することが出来た。

とにかく伝えたい魅力が沢山あって困ってしまうほどであるが、まず最初に蚤の市について紹介したい。残念ながら月1開催の一番大きなマーケットは時期が合わず行けなかったけれど、それでも充分過ぎるほど堪能させてもらった。




 

最初に行ったのは、Waterlooplein Marketという日曜日以外毎日開催されている地元でも有名なマーケットへ。トラムから降りてすぐの目の前の広場に白いテントがズラリと並んでおり、先が見えないほどのかなりの店舗数。

ツーリスト向けのお土産品やどこのマーケットでも見るスポーツ用品や民族衣装などの店舗も多かったが、奥へ進むにつれ、ヴィンテージ古着やセカンドハンド、アンティーク雑貨、家具など、次々と登場してくる。しかも、ものすごい量に目が眩んだ。

 軍物、レザー、デニム、シャツ、スカート、靴、バッグ、帽子などが、地面に敷かれたシートの上にてんこ盛り状態で置かれていて、斬新なその様に驚いたけれど、掘れば掘るほど出てくる宝の山、これぞ”掘り出し物”といった具合で、ジリジリ迫ってくる日差しに照らされながら汗だくで掘り続けた。

 ワンピースでもシャツでもバティックやフラワー、イラストなどとにかく柄物が多いのが印象的。ロンドンでもベルリンでもここまでプリント物は多くない。

最終的に購入したのは、Levi’sのデニム(5ユーロ)とチャップリンプリントのシャツ(1ユーロ!)のみだったけれど、涼しい時期であれば、ジャケットやコートも端から試着して持って帰りたいぐらい品数が豊富だった。

 

 

 

何より素晴らしかったのが接客スタイルである。オランダ人は相手が外国人と分かれば必ず英語で話しかけてくる。しかも愛想が良くてとても親切。普段、ベルリンの怒ってるのか?と思うほど無愛想でドイツ語オンリーのマーケットに慣れてしまっているため、感動すら覚えた。

 


  

もう一つおすすめなのは、地区全体がスタイリッシュにまとまっているJordaan地区で開催されているここ、Westerstraat Market。こちらは毎週月曜日に開催しており、土曜日にもNoorder Marketというオーガニックフードメインのマーケットが開催されている。

 




 

Waterlooplein同様に白いテントがズラリと並び、衣類、アクセサリーの専門店が多かった。古着以外のインディペンデントブランドといったアクセやバッグ、リメイクなども多数あり、場所柄なのか全体的にキレイなマーケットという印象である。

ヴィトン、CHANEL、Diorなどのメゾンブランドのヴィンテージをメインに扱っている店舗もあり、今ではなかなか手に入らない年代物も取り扱っていて、”本物のヴィンテージ”に触れられて良かった。

近隣にもブランドショップやセレクトショップ、ヴィンテージショップが多く、オシャレなカフェやレストランだらけのため、マーケットが開催していない時に訪れても充分楽しめる。

滞在先からも近かったため、毎日のように通い、早くもお気に入りスポットとなった。ステキなアパートメントもひしめき合っていて、思わず住みたくなったが、とにかく高額とのこと。

マーケットで唯一残念だったのは、とにかくサイズが大きいこと。世界一背の高い人種がオランダ人なのだから仕方のないことだけど、短時間しかない中で探す1点物との出会いはまさに運命でしかないのだ。蚤の市には次のオランダ訪問時にも絶対に行きたい。

 

 




宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。



この記事に関連する記事