パリ仕込み、ベルリン発! のブランド(宮沢香奈)

2015/03/29 13:32 更新




友人の紹介で、ベルリン在住のフランス人デザイナーAURELIA PAUMELLEのアトリエ兼ショップに伺わせてもらった。

アウレリアは、イヴ・サンローランをはじめとする多くの世界的デザイナーを輩出したパリのクチュール名門校Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienneで学んだ後、バレンシアガ、 ジョン・ガリアーノ、イヴ・サンローランなど、蒼々たるメゾンブランドで経験を積み、自身のレーベルを立ち上げた。

コレクションはBLKで統一され、無駄のないミニマルでシンプルなデザイン、ほとんどのアイテムがユニセックス対応となっている。さらに、プライベートな繋がりから、Carl Craigなどをはじめとする一流DJたちとのコラボレーションラインとしてTシャツを展開。

ベルリンでは、音楽を背景に持つブランドは数多く、正直なところアヴァンギャルド過ぎてデイリー使いしにくいものや、インディペンデント過ぎて、時代と合っていないものもある。

  

 

しかし、AURELIA PAUMELLE(写真上)は、パリをベースに展開してもマッチするモードさとエレガントさを兼ね揃えている。

まず第一にパターンが美しい。メンズライクなデザインでありながら、女性が着るときちんと女性らしい柔らかいシルエットが出るように考えられている。バルーンシルエットはガリアーノから、角張ったシルエットはイヴ・サンローランからのインスパイアだと言う。長年に渡り、本物のクチュールに触れてきたからこそ生み出せる技である。

そして、エレガントさはマテリアルにも現れている。シャギー加工のサテン、マットなシルク、きめ細かいジャージーなど、同じブラックでありながら、着た時のライン、落ち感が全て異なる。品のある素材は飽きがこなくてずっと着れるのが良い。

カジュアルな着こなしから、ヒールを合わせればドレススタイルにも活用出来る。こういったブランドにはなかなか巡り合わないため、近々プライベートで改めてショッピングに行きたいと思っている。

しかも、現在、ベルリンのショップでは、アトリエ価格で購入することが出来るため、かなり良心的!! ベルリンへ訪れた際には是非とも行って欲しい。

私自身、日本にいた時ほどパーティーへ顔を出す機会は減ったが、何もないのは困ってしまう。それに、一度しか着ないままクローゼットの奥で、二度と来ない出番を待つことになってしまうドレスではなく、デイリーにも使えて、いざと言う時はドレスアップに役立ってくれる万能アイテムを探していたため、良い出会いとなった。


    

パリでは、セレクトショップのKABUKIで取り扱っており、日本での展開はまだなく、エージェントを募集中とのこと。

ベルリンのオンリーショップはクロイツコロンというエッジの効いた刺激的なエリアにあるのもおもしろい。新しいカフェやレストランが次々と出来ており、外国人が多く、英語がスタンダードというお店も多い。

まだまだ未知なことがたくさん潜んでいるベルリンの街を歩きながら、春の着こなしを想像してワクワクした1日だった。



AURELIA PAUMELLE
Sanderstr.4

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宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。



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