ベルリンのショールームで発見、才能溢れるウクライナ人デザイナー(宮沢香奈)

2022/11/29 06:00 更新


10月末、ミッテ地区に位置するギャラリーにて、ベルリン拠点のサステナブルなブランドを中心に取り扱うショールーム“compose PR”がグループエキシビジョンを開催した。ランジェリーブランドやウクライナ人デザイナーのブランドが新たに加わり、全7ブランドによる2023年春夏最新コレクションのお披露目となった。

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中でも注目したいのは、2つのウクライナブランド「bobkova」と「Litkovskaya」だ。「bobkova」はベルリンファッションウィーク中にもランウェイショーで最新コレクションを披露しており、ジェンダーの垣根を取り払ったデザインを得意としている。2022年春夏コレクションでは、ペールトーンカラーのルーズシルエットなシャツ、マスキュリンなシルクスーツ、ハンドメイドによるレザーシューズなど、欲しいアイテムが多数だった。

同ブランドは、ウクライナにある工場で生産していると聞き、現在もなお戦争によって破壊されてしまうかもしれない危険に晒されているという。美しい洋服とは相反する状況に複雑な気持ちになってしまった。


もう1人のウクライナ人デザイナー Lilia Litkovskayaが手掛けているブランド「Litkovskaya」は、パリにショールームを構え、クラフトマンシップとアップサイクル素材にフォーカスしている。職人によるテーラー技術が芸術的に素晴らしく、どのアイテムも緻密で美しかった。アップサイクル素材なのにエレガントで高級感があり、ユニークなシルエットや大胆なレイヤードなど、印象に残るアイテムが多数だった。

個人的に欲しいと思ったウクライナの民族衣装“ソロチカ”を彷彿させる刺繍入りのシャツドレス


エミリー・レンクが手掛けるベルリン拠点のシルクランジェリーブランド「ZODIAQUE STUDIOS」。2022年にパリにて初コレクションを発表したばかりの新進気鋭ブランド。


ビビッドなカラー展開が目を引くハンドニットブランド「Ella Silla」は、ベルリンから遥か遠く離れたズューダーダイヒに拠点を構えており、一家代々で手作業によるニット製造業を営んでいる。


余剰生地や不要となった生地から服作りを行っているアップサイクルブランド「AVENIR」。デニムのアイテムが代表的であり、カットオフや異素材レイヤードが特徴的。

その他にも、リサイクルシルバーとゴールドを使用しているベルリン拠点のハンドメイドジュエリーブランド「Johanna Gauder」やスマホケースからバッグまで幅広く展開するアクセサリーブランド「XOUXOU」の最新コレクションを見ることができた。

これまでは、compose PRがベルリンローカルのサステナブルなブランドにフォーカスしていた点に注目していたが、今回はウクライナブランドをフックアップしたことが最も興味深く、個人的にも欲しいと思うデザイン性の高いブランドを知れたことが嬉しかった。

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長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。

セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’sFUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある。



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