気付かされる!(藤永幸一)

2014/05/31 00:00 更新


このあいだ、ある商業施設の企画プレゼンに参加してきました。そこで、従来のスタッフ接客研修が、3層構造になっていることを話しました。

最初は、「商品情報をきちんと学べ!」ということから始まりました。その次に重視されたのが、「接遇」。ちょうどCSなどがもてはやされた時代です。そして数年前からは、「ニーズを探る会話力」の必要性が盛んに言われています。

これらは、「目的購買」を主体としている男性目線であり、「一つひとつ、課題を見つけては対応していく」という男性の得意なアプローチです。正直、重すぎます!堅苦しい!

今や女性の時代です。そして、女性はなによりも、「気分」をたいせつにして行動するのです。ちょうど、システムが、「クラウド」になってぐんと軽く、使用者主体になったような変化を、教育研修でも体感できるようにならなければと思います。

席上、男性のリーダーから、「どうして、接遇というと、航空会社やホテル出身の方の話になるんでしょうね?」と質問されました。「どう感じられますか?」と聞き返してみました。

「うーん、私も、なんども聞かされましたが、確かに話は正しいし、いい話と思うのですが、じゃ、現場でどうする?と考えると、そこで、止まってしまい、あとは、後半は眠くなります!」

「まったく同感です」

「でも、なぜ?」

「ひとつには、男性は、もともとキャビンアテンダントのような美しい女性にサービスしてもらうのが好きという傾向があります。ホテルでも、同じように、上品、丁寧な接客を受けると、いいホテルと思ってしまう・・・『客』なんだから胸をそらしていいみたいな、そういう男性目線の満足感がありますよね。それに、そういうのがいいというのは、ほとんど企業のTOPの方からの発信です」

「たしかに・・・」

「そして、もう一つ、ここが大切なのですが、社内で企画を提出、稟議する際に、『ブランド』価値が高い方が、通りやすいでしょう。有名な航空会社、高級ホテル・・・それがブランドになりますよね」

「なるほど、それはたしかにそうですね」

「キャリアを積んだスタッフが、前線を退いたときに、接遇コンサルという仕事をしてくれれば、新しいジャンルを開拓できることになります」

ちょっと間があって…

「いい話なんですよね。でも、『受け』はよくない!それは、なぜだと思われますか?」

「いろいろと理由はあると思いますが、参加するスタッフの目線からすれば、どこか上から目線を感じるということもあるでしょう。航空会社じゃないんだから・・・という。選ばれて、入社して、たくさんの時間のトレーニングを積んで、高給をもらってきた人たちとは違うという気持ち。だから、話はたしかに、わかるけれど、現場が違うという抵抗感みたいなものがあるような気がします」とお答えしました。

現場にフィックスするというのは、こちらが気遣いをしなければ、難しいことだとつくづく感じました。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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