365日開催、ブリュッセルの蚤の市(宮沢香奈)

2018/05/17 15:00 更新


毎年のように訪れているオランダ・アムステルダムへ行く前にせっかくなら近隣諸国を周遊したいと思い立ち、今回は隣国ベルギーに4日間だけ滞在することにした。

ブリュッセルとアントワープにホテルを取り、目的は蚤の市、ワッフル、チョコレート、ビール、ミュージアム、ショップ巡りなど。ブリュッセルで一番有名で規模が大きいと言われるジュドバル広場(Place du Jeu de Balle)の蚤の市を訪れたが、まずその出店数の多さと種類の多さに驚き、続いてクオリティーの高さと良心的な値段にも驚かされた。

アンティークの陶器や食器類、ガラス工芸品、美術品などが一番多く、続いて衣類やアクセサリー、レコードと続く。テーブルの上や地面に敷かれた布の上に山盛りに置かれていたり、きちんとキレイに陳列されていたりとどこの国でも見るお馴染みの自由なスタイルで端から隈なく見て回った。

訪れた日は25℃を超える夏日の日曜日とあって来場者の数も非常に多く、ビール片手にバンド演奏を楽しむ人々も入り混じり、湿度の混じる暑さの中人混みを掻き分けながらお宝を見つけるのは至難の技だった。

ジュドバル広場一面に店が並ぶ日曜日の蚤の市
イベントが開催されていたのか大勢の楽器隊による生演奏も

翌日は美しいと有名なブルージュに日帰りで訪れるはずだったが予定を変更してもう一度ジュドバルへ。短い滞在で同じ場所に二回訪れることは滅多にないことだがそれほどここは魅力的だった。おまけにここは365日毎日開催されているためいつでもお宝探しが出来るのだ。

日曜日とは違い一面を埋め尽くしていた店たちも半分ほどに減っているのでいろんな物を隈なく見たい人は土日に行くことをおすすめしたい(*開催時間も曜日や時期によって異なるため事前にチェックが必要)。

LANVAINシルクスカーフ(右)チェックのシルクスカーフ(左)各4ユーロ(約530円)

ペッパーミル10ユーロ(約1,320円)銀メッキの皿3ユーロ(約400円)

ヨーロッパならではな繊細でかわいらしい絵が描かれたお皿が欲しかったが移動が多く、持って帰るのが大変なため泣く泣く断念した。骨董品を狙うならここに来るだけでも十分に価値のある蚤の市と言える。

ブリュッセルはフランス語がメインでオランダ語はほとんど聞こえてこない。街並みもパリの雰囲気を感じさせるところが多く、それでいてビルや人が密集していなくて居心地が良い。心配していた治安の悪さはほとんど感じることがなかったが、通りごとに住んでいる人種が変わり雰囲気がガラリと変わるのが分かった。

治安の悪さはベルリンも場所によっては同等であるし、海外に住みだしたばかりの時は日本の感覚が抜けなかったが今はどこに行っても自然と警戒するようになった。それより現地の歴史や文化をもっと知りたいし、じっくりゆっくり味わいたいと思った。ベルギーに関しては今回行くことが出来なかったブルージュ、ゲントへも行ってみたい。


 

宮沢香奈/Kana Miyazawa ライター、コラムニスト、コーディネーター。長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’s FUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある



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