デニム大手のカイハラは、生産効率化に向けた国内の設備投資や、スポーツ、雑貨など新規用途の開拓に力を入れている。22年2月期は売上高、利益ともに微増で着地、コストダウンに向けた取り組みが収益に貢献した。
(三冨裕騎)
22年2月期は、上期が海外需要の回復で伸びたが、下期は海外向けが落ち着き、国内もまん延防止措置などで低調に推移した。綿花などの原材料や原燃料、染料薬品の上昇といったコスト上昇要因があったが、生産工程の集約といったコストダウンが利益面で功を奏した。
国内の規模を維持していくための設備投資も再開し、織機の入れ替えや工程管理システムを順次更新している。紡績から織布、染色整理加工まで手掛けているため、「全部を一元管理できれば効率は大きく上がる」(貝原淳之専務)と見ており、スマートファクトリー化を進めていく。一方、現在月産100万メートル規模のタイ工場は稼働が安定しつつあり、「安定受注、安定生産が定着すれば、(月産150万メートルの)第3フェーズも視野に入ってくる」として、早期の安定操業を目指す。