日本紡績協会 東アジアの繊維貿易をデータ化 主要国間の輸出入を俯瞰

2023/06/13 06:25 更新


 日本紡績協会は「東アジア主要国の繊維貿易マトリックス(21年)」をまとめた。「従来は日本ともう一つの特定の国という二国間の貿易しか把握できなかったが、今回まとめた資料では主要な生産国間の貿易構造が明らかになり、全体を俯瞰(ふかん)できる資料になった」という。

 綿糸については東アジア域内で253万トンの貿易があるなか、輸出はベトナムが109万トン、インドが103万トンで合わせて210万トン程度を占める。輸入は中国が約137万トンで過半となり、「中国は膨大な紡績設備を持ちながら、ベトナム、インドから多くの綿糸を輸入していることが分かった」。

 綿織物は182万トンの貿易のうち、輸出はインドが最大で103万トン、次いで中国が62万トン。輸入はバングラデシュが63万トンで最大。二次製品は748万トンの貿易のうち、最大の輸出国は中国の266万トン、2番目はインド186万トン、3番目はバングラデシュ121万トンだった。

 国別ではバングラデシュとベトナムに注目。バングラデシュはインドや中国などから綿の糸と織・編み物を127万トン輸入し、加工して二次製品として121万トンをEU(欧州連合)や米国向けに輸出。「輸入と輸出がほぼ同量で、縫製に特化している国」と指摘した。

 ベトナムも中国やインドなどから46万トンの綿素材を輸入しているが、二次製品の輸出は64万トン。「自国内に紡績、織布の生産機能も有している」と分析した。

 同資料では綿製品だけでなく、合繊短繊維製品やスフ(レーヨン短繊維)製品の貿易動向もまとめた。



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