メタバース推進協議会設立 文化圏・経済圏のあり方を検討

2022/03/24 06:26 更新


代表理事に就任する養老猛司東大名誉教授

 21年12月から任意団体として活動していたメタバース推進協議会が3月31日に一般社団法人メタバース推進協議会として新たに設立され、日本国内のメタバース(インターネット上の仮想空間)に関わる新たな文化圏、経済圏のあり方を検討する。代表理事に東京大学名誉教授の養老孟司氏が就任。第1回推進会議を4月上旬に開く。

 協議会はメタバース空間内での生活文化・コミュニティー形成、ビジネス普及・促進のためのガイドライン整備やルールメイキング、標準化などを目的に設立。今後、参画企業や団体、自治体、個人で市場動向の把握などから着手し、本格的な活動を進める。

 世界の動向を踏まえた国内のメタバース空間と人や企業の関わり方の研究及び成果などの広報、啓蒙(けいもう)活動を行う。また、メタバース空間を活用した生活文化形成、伝承のあり方に関する勉強会・講演会・セミナーなどを企画・運営する。

 メタバース空間内のビジネスやデジタル通貨、デジタル資産、法律のあり方などを研究し、広報と政策提言を行う。最終的にユーザーに届くコンテンツを中心に、人にとってのメタバース、企業のメタバース参入に向けたルールメイク全体をコーディネートする。

 メタバースはこれまで概念的に取り上げられていた状況から、具体的なコンテンツや技術が整備され始めている。「24年には90兆円市場」と予測されており、生活圏・経済圏を構成しながら社会に浸透していく可能性があり、世界から脚光を浴びている。人にとって多くの恩恵をもたらすプラットフォームとして進化し続ける一方で、法の整備やガイドライン、ルールメイクが追い付いておらず、乱立したメタバース空間では課題も多く残されているのが現状だ。

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