ジンズ SCへの出店は一巡、路面店出店を強化へ

2017/06/01 04:07 更新


建築家の藤本壮介氏が設計したデザイン性の高い渋谷店1階の売り場

 「これからは新宿や池袋など都内の主要地域で路面店の出店を増やす。客のニーズに合わせて出店場所を変えていく」とアイウェア製造小売りのジンズの田中仁社長。

 同社は5月26日、東京・渋谷に「ジンズ」の旗艦店となる大型路面店を開設した。郊外SCなどのインショップ中心に、01年から出店を開始し、現在、国内に320の店舗をもつ。SCへの出店はほぼ一巡した。一方で最近、神戸の三宮や京都のほか、ロードサイドで路面店を増やしているのは時代変化への対応と語る。


田中仁社長

 「米国ではCランクの施設などSCの何割かはゴーストタウン化している。日本でも、館によってはテナントも客も来ない時代になる恐れがある」と見て、今後は未出店地域が多い都内の路面で出店を広げる。

 今回の旗艦店は、新基軸となる店舗とし、発信を強めているのも特徴だ。「モノだけでは売れない時代。モノと合わせてコトと思想も必要」と田中社長。

 店舗は1階が売り場。2階は会計と検眼コーナー、眼鏡関連の雑貨売り場、ジンズ初のイベントスペースで、設計会社などと共同開発したレンズの自動加工機の最新版も備える。自動加工機でロボットアームが正確にレンズに付属を装着し、左右同時にレンズを削る様子や、イベントスペースでアート作品の展示が見られる。ワークショップや眼科医の講演も行う予定だ。


建築家の藤本壮介氏が設計したデザイン性の高い渋谷店1階の売り


 眼鏡関連の雑貨売り場を設けたのも初めてで、6月下旬から全国の主要20店舗で販売を開始する。アーティストとの協業品とベーシック品の2ラインで構成。協業品はアート柄の眼鏡ふきや、内側に眼鏡が傷つかない生地を使ったポーチ、トートバッグなど。ベーシック品はシンプルでモダンな眼鏡ケース、国産の牛革製グラスコード6色などを1000円台からの価格で販売する。

 内装から雑貨まで様々なカルチャーと融合させて発信する渋谷店を拠点に、店舗設計などで自由度の高い路面店を増やし、新しい価値の提案を強める。


渋谷店2階にはアーティストと協業した雑貨売り場、アート作品の展示やイベントスペースを設けた




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