GMTが代理店の手製靴「ジャランスリウァヤ」 20周年でインドネシア政府が表彰

2023/05/30 10:59 更新


インドネシア政府から表彰された横瀬秀明GMT社長

 輸入卸のGMTが輸入総代理店となっているインドネシアの手製靴「ジャランスリウァヤ」が日本での発売20周年を迎えた。両国間の貿易関係強化が評価され、5月28日にインドネシア政府からGMTが感謝状を授与された。今後はシンガポールの直営店を生かし、アジア中心に海外販売を広げる。

 ジャランスリウァヤはアッパー、中底、ウェルトを手作業のハンドソーンウェルテッド製法で縫い付ける高品質と、中心価格3万円台の比較的買いやすい値段の「本格靴の入門ブランド」として親しまれている。日本での発売は、01年にGMTの横瀬秀明社長が靴メーカーのフォルトゥナ・シューズに出合ったことがきっかけ。「高度な技術や革の質と、ディテールやデザインが伴っていない。やり方を変えればうまくいくと思い、取引を打診した」(横瀬社長)。

手仕事が光るハンドソーンウェルテッド製法がブランドの武器だ

 両社の協力で03年春夏にジャランスリウァヤを立ち上げた。2シーズン目から大手セレクトショップで扱いが始まり、雑誌への露出も増え軌道に乗り始めた。「価格と品質のバランスがデフレの世相とうまく合致した」と分析する。日本の取引先は現在150以上に成長した。

 シンガポールには17年秋にGMTの出資で直営店も出した。今後はバンコクやクアラルンプールへの出店も計画し「アジアで一番の革靴ブランドを目指す」考え。

 国内では高級素材のハイエンドモデルの開発でブランドイメージを高める。「欧州ブランドの値上がりが続き、ジャランスリウァヤは値上げ幅を抑えられているのが強み」だが、「安さから品質が悪いのではと誤解される懸念もある。ハイエンド商品で靴好きがうなる技術を見せたい」考え。今年11月には、靴磨きサービスを楽しめる直営店を東京・丸の内オアゾに開く。

ハイエンド商品でブランド力を高めていく戦略

 また、発売20周年記念として個性的な素材やデザインを取り入れた「コレクターズエディション」も企画。コーヒーの出し殻をなめしに再利用したレザーのシューズなども販売する。



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