J・フロントリテイリング社長 小野圭一さん 価値共創リテーラーグループ目指す

2024/05/17 12:30 更新有料会員限定


小野圭一さん

 J・フロントリテイリングは26年度、本業のもうけを示す事業利益で23年度比17%増の520億円を計画する。リテールを中心とした成長で増益を確保し、百貨店で6割、SCで2割を稼ぐ。百貨店は高質なプライム消費、パルコは若年層の高揚感あるファン消費を取り込みリテール事業を深化させる。デジタルによるCRM(顧客関係管理)の高度化を通じて顧客接点の魅力向上につなげる。ディベロッパーは投資フェーズ、決済金融はカードの一元化による費用が先行する。グループの強みを最大限に引き出し、成長分野への投資を積極化する。

世の中の熱量を高めたい 

 ――24~26年度の中期経営計画を策定した。

 30年度のあるべき将来像を議論することから始めました。そこで打ち出したのは感動共創、地域共栄、環境共生の三つを提供する価値共創リテーラーを目指す方向性です。グループビジョン「くらしの『あたらしい幸せ』を発明する」にひもづく形で進化する姿を描いていこうという意図です。

 これまでのサステイナブル経営をより分かりやすく言語化しました。三つの価値の背景にあるのは、全ての企業活動で社会と経済の両方の共創価値につなげる存在になっていくことです。我々は商品、サービスを通じて生活者に彩りを与えてきた自負があります。その役割をそのままに、世の中の熱量を高めたいという思いを込めました。

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