泉工業、最細のラメ糸を開発 より精密なデザイン表現が可能に

2023/10/06 12:00 更新


細かな柄や文字もぼやけずにくっきりと表現できる

 後染めラメ糸メーカーの泉工業(京都府城陽市)は、織りネームのような精密なデザインや文字表現を追求する生地用途を想定した細いラメ糸を開発した。ポリエステル100%で細さは35デシテックス。色は金、銀を揃える。

【関連記事】衛生機能素材の開発相次ぐ 気になる臭いや感染対策

 開発商品は同社の撚糸したラメ糸の中で最も細い。芯は300切(1寸=約3センチを300分割)のスリット糸で幅は0.1ミリ。そのスリット糸に8デシテックスのポリエステル糸を2本使って、S撚りとZ撚りでダブルカバーし、強度を持たせながら細い糸を作った。8デシテックスの糸は合繊メーカーから供給を受けた。生産キャパシティーが限られ、「一般的には流通していない」(同社)ため、同業他社でこの細さの糸を開発することは難しいという。

撚糸品のなかでは最細のラメ糸。金、銀色がある

 福永均社長は「織りネームのデザインはどんどん精密になっている」と指摘。11月に福井市で開催される北陸ヤーンフェアに出展し、織りネームなど細幅織物メーカーを中心に提案する。広幅の織物メーカーからの引き合いもあり、中量産が始まっている。



この記事に関連する記事