インディテックス 好業績続く理由は?

2016/11/28 07:00 更新


エチェバリア広報本部長に聞く


 インディテックスの業績が好調だ。今上期(2~7月)は増収増益で、既存店ベースでも増収だった。実店舗のリニューアルとネットの販売環境の整備をグローバルに進め、日本でも「ザラ」新宿店を改装したほか、ザラ各店舗にRFID(ICタグ)を導入している。17年から日本の店舗でも使用済み衣料を回収するなどリサイクル活動を本格化する。ヘスス・エチェバリア広報本部長に、好調が継続する理由を聞いた。

 ――ザラ新宿店をリニューアルした。

 店舗環境の整備は定期的に行っており、実店舗の大型化に取り組んでいる。新宿店のリニューアルもその一環だ。改装で売り場面積も広がり、ザラのフルラインがこれまで以上に見やすく、買いやすい店にした。外装には大型のディスプレーも設置し、街を行く人にもコンセプトが伝わるようにした。


 ――日本の業績は。

 各市場の細かい数字は非公開だが、日本での商売には満足している。日本、とりわけ東京は世界中のファッションに極めて強い影響力を持つ市場で、消費者の動向を我々は注視している。ここで成功することが他の市場でのビジネスを左右すると考えているからだ。


 ――他のグローバル大手は天候不順が業績に影響したが。

 業績を他社と比べるつもりはない。我々は徹底的に消費者のニーズに応えるということを会社の仕組みの基礎にしている。ニーズを想像するのではなく、お客の生の声を元に商品を作り、売ろうとしている。


 ――客に近づく努力とは。

 ザラで言うとスペインの本部にウィメンズ、メンズ、子供服で各市場の店頭の声を聞く担当者がいて、どの市場で何が売れていて、天気はどうか、世界の店頭の動向を常に把握している。

 店舗も市場ごとに異なるニーズを日々、本部にフィードバックする。同じデザインでもどんな丈や色、サイズ、フィット感が売れたかが本部に逐次伝わる。


 ――市場ごとに違うニーズに応えているということか。

 コレクションは世界共通だが、色やサイズの好み、売れるタイミングは共通ではない。各市場のお客の反応を店からくみ上げ、次のコレクションだけでなく、全世界の各店舗に週2回入荷する新商品の品揃えにも反映している。トレンドの変化や天候不順にきめ細かく対応できているのはこの仕組みのおかげかもしれない。


 ――本国スペインでモバイル決済を開始した。

 ECと実店舗の双方で安全に便利に当社の商品を購入してもらえる環境を整備しており、その一環だ。

 日本では昨年からザラでICタグの導入も進めており、モバイル決済も今後全世界で段階的に導入していく。日本ではサステイナビリティーに配慮した活動を本格化する考えで、来年からはザラの店頭で古着回収も開始する予定だ。



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