震災から10年の宮城県気仙沼市で芽吹く〝青い金〟――インディゴ気仙沼(藤村さやか代表)は南仏トゥールーズ地方で栽培される希少な染料植物パステルの種を取り寄せて栽培、商品化を果たした。特徴は、気仙沼の海を思わせるグレーがかった淡いブルーだ。
(北川民夫)
【関連記事】《東日本大震災から10年》復興、防災…商業施設に新たな役割 設備生かし地域の拠点に
子連れで勤務
発端は14年、子育て中の女性たちがコミュニティー作りや情報交換の場として立ち上げた子育てサークルだ。復興に向かうなかで「小さい子供がいても、働いて収入を得たい」という声を背景に、〝子連れ勤務できる藍染め工房〟が設立された。藤村さんは13年に結婚し、東京から移住して出産、子育て中だった。ピーアール会社社長だった経験を買われ、代表になった。「当初は藍染めに興味はなかった。でも地域のママたちの若い感性で作る藍染めは、タイダイやチェックのデザインを取り込んだ、これまにないセンスを感じた」という。海外でも藍の絞り染めは〝SHIBORI〟と称され評価が高い。「海外市場に向けて発信できれば地域社会に貢献できる」と考えた。