「イセタンミラー」 憧れのコスメを自由、気軽に

2018/07/09 06:45 更新


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 三越伊勢丹によるセミセルフ型のコスメセレクトショップ「イセタンミラー・メイク&コスメティクス」は、百貨店の化粧品売り場に並ぶようなラグジュアリーコスメを、ブランドの垣根を越えて自由に比較購買できる店として忙しい女性たちの支持を集めている。今春には新規開業の東京ミッドタウン日比谷に大型店も出すなど、商業施設での存在感を高めている。

(石井久美子)

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 イセタンミラーを立ち上げた元々の狙いは、百貨店で化粧品を購入する女性の不満解消にある。百貨店は立地や営業時間の課題に加え、ブランドごとにカウンターが分かれているためブランド横断での接客や比較購買がしにくかった。三越伊勢丹としても、若年層など新規客との接点を増やす手段として百貨店の外部への出店を模索していた。

 これらを踏まえて、12年に駅直結のルミネ新宿に1号店を出店。百貨店の強みであるラグジュアリーコスメの商品調達力と質の高いカウンセリング販売に、今の忙しい女性が求める、仕事帰りなどに遅い時間でもさっと寄れる立地で、人気ブランドをまとめて見られてセミセルフで買えるという利便性を組み合わせた。

約50のブランドを集めた東京ミッドタウン日比谷店

7割の人がセルフ購入

 百貨店の化粧品売り場は各ブランドから派遣される美容部員が接客するのに対し、イセタンミラーは混雑時もセルフで自由に買い物できるほか、「ミラーガール」と呼ばれる三越伊勢丹グループからの専門スタッフが女性の肌や好み、ライフスタイルに合わせてブランドを問わず提案する。取り扱いは平均20ブランド前後で、日比谷店は「イヴ・サンローラン」「アディクション」「シュウウエムラ」「スリー」「ナーズ」など約50ブランド。既存のビジネスモデルだけに固執せず「新しい提案をすることについて、ブランド側にも賛同してもらった」(同社)ことで豊富な品揃えを実現した。

 駅ビルなど商業施設への出店で現在17店に広がり、既存店の売上高は前年比2ケタ増ペースで伸びている。利用者は店舗によって差はあるが20~30代の若い世代が8割弱。ルミネ新宿の近隣の伊勢丹新宿本店の化粧品の売り上げへのマイナス影響もなく新規客を集めている。

 百貨店の化粧品カウンターは、1対1の接客や高級感に敷居の高さを感じる人もいる。イセタンミラーでは7割の人がセルフで購入し、売れ筋も手に取りやすいリップやベースメイクなどに集中している。このためスキンケア商品がよく売れる百貨店よりも客単価は低い。若い世代をここからいかに百貨店に送客するかという課題はあるものの、ラグジュアリーコスメへの入り口という役割を果たしている。

 セルフでも商品を見やすく買いやすい売り場作りにも力を入れている。カラーメイクは色数も多いので選ぶのが大変だが、各ブランドのリップやネイルを集積したコーナーを作ることで比較しやすくした。

ブランドの垣根を越えて、セルフでもカウンセリングでも商品を購入できる

全ブランドの研修経て

 店頭ではまず声をかけ、セルフで試すので接客は不要という人、カウンセリングを求める人などニーズに合わせて対応する。多数のブランドを扱うためミラーガールに要求される知識量も多い。教育には1年をかけ、全ブランドの研修を受けるのに加えてイセタンミラーとしてのスキルや基準も身に着けてもらう。

 消費者側も商品に詳しい人が増えている。「スマートフォンで情報を調べた上で自分にどれが合うのか知りたい、自立したお客様が多いと感じます」と話すのは、1号店の初代店長を務め、現在はミラーガールへのレクチャーや店頭の無料メイクイベントでも活躍する門脇奈美さん(三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ人財ソリューション事業部コスメグループ店舗運営担当マネージャー)。今の女性は人気商品など一般的な情報はすでに持っている。肌質や色など、個人のための踏み込んだ提案が重要になっているようだ。

 日本ではかつて、外資系のコスメセレクト店が進出・撤退したこともある。当時に比べ、自分で情報を収集しセミセルフで商品を選べる客が増えたこともイセタンミラーの普及を後押ししている。

 店舗全体のイメージ作りとしてビジュアルにも力を入れている。毎回テーマを変え店舗やホームページ、インスタグラムでビジュアルや動画を発信する。6月のテーマはスキンケアとナチュラルメイクだ。

 若い女性が多いイセタンミラーはメイクへの関心が高いが、今後はスキンケア商品も強化する方針だ。スキンケアは単価アップが見込めるほかリピーターの再来店につながりやすい特性があり、客との関係を深めていく。

ヒアリングした上で3本のリップを紹介するなど、コスメを選ぶ楽しさを提案する(門脇さん)
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