ホープインターナショナルワークス リメイク事業を強化 産学協業など市場拡大へ布石

2022/01/25 06:27 更新


ソーイングラボを中心とする自社の強みを生かす

 ホープインターナショナルワークスは、主力のアパレルOEM(相手先ブランドによる生産)が厳しさを増すなか、リメイク事業「サロン・ド・リデザイン・クローゼット・ドットネット」(SDRC=リデクロ)を強化し、事業の再構築を進めていく。

 リデクロは、東京・原宿、大阪・南堀江の路面店、西武池袋本店、そごう千葉店に実店舗を展開。昨年秋には阪神梅田本店「ReP.」に窓口カウンターを設け、近く京都にも無縫製横編機「ホールガーメント」を活用した窓口拠点を置く予定だ。EC受注もコンテンツの改善などで伸ばしていく。

 コロナ禍で思うようなイベントなどが開催しにくいが、少しずつ認知度が向上。単価は1万円を超え、収益貢献度は高い。1人で100万円を超えるようなヘビーユーザーも生まれてきた。洋服だけでなく、トートバッグやぬいぐるみをはじめ、リメイクアイテムも拡大中だ。「SDGs(持続可能な開発目標)の面からも、服を捨てずに生まれ変わらせるリメイク事業への注目は今後さらに高まっていく。ソーイングラボを中心とする自社の強みを生かしていきたい」(高村三礼社長)考えだ。

 一方、リメイク市場の裾野を広げていくことも課題に掲げる。その一環として、手芸ファンを対象にしたCtoC(消費者間取引)事業向けアプリの開発を進めている最中。また、近畿大学との産学協業によるリメイク拡大のためのコンテストの開催、家庭用ミシンメーカーと協業し裁断済み生地やミシン糸、レシピなどをセットにした手作りキット「ファブモデル」の商品化なども間もなく具体化する計画だ。

 主力のOEMの苦戦を受け、同社の21年5月期の売上高は約8億円となり、大阪本社のソーイングラボへの集約化などコストダウンも進めている。全社売上高に占めるリデクロの構成比はまだ約20%にとどまっており、次世代事業の柱として育成を急ぐ。



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