ジーユー 秋冬物の価格据え置き 素材と工場集約で原価率を抑制 

2022/09/13 06:29 更新


サプライチェーンを高度化し、買いやすい価格を維持する考えだ(柚木社長)

 ジーユーは今秋冬物の価格を据え置く。柚木治社長は「景気が好転していない中で物価が上昇しており、お客様の財布のひもは固い」と値上げ回避の理由を説明する。品番数を絞ってニーズの高い商品を集中して作り、素材と縫製工場も集約して原価率を下げる。同時に出店を拡大し、コーディネート提案の訴求を強化することで売り上げを拡大し、値下げ販売を抑制し、粗利率を上げ、収益性を維持する考えだ。今秋冬は「ソフトリブT」「スタイルヒートEX」などのトップを990円(税込み)、「ヒートパデッドブルゾン」を3990円、ブーツを2990円など主力商品の価格を据え置く。一部に値上がりする商品もあるようだが、柚木社長は「マストレンドの商品を売っているので、前シーズンと同一商品が値上がりしている印象をお客様が持つようなことはない」と話す。

出店を拡大しコーディネート提案を強化する

 22年8月期は、第3四半期(21年9月~22年5月)までの業績が減収減益だった。商売のボリュームが大きい冬物の実売期に生産や物流の遅延で機会ロスが発生したことが要因として大きいが、今期(23年8月期)は「(前期に比べ)サプライチェーンがしっかり機能している」という。

 商品を適時供給する仕組みを整備する以外に、売り上げ拡大に向け、積極的に出店も行う。今秋冬は25店を出す計画だ。住宅街のロードサイドと都心ターミナル駅に集中して出す考えで、10月にはマロニエゲート銀座店、天王寺ミオ、ルミネ横浜に出す。23年第3四半期末のジーユーの店舗数は451(海外店含む)で、同じファーストリテイリング傘下のユニクロは国内だけで800を超える店があるが、「日本ではユニクロと同じくらいの店舗数は出せる」と見ている。



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