グラニフがリブランディングを進めている。グラフィックデザインを生かしたTシャツ主力の業態だったが、2年前から雑貨なども扱うライフスタイルブランドへの転換を目指してきた。商品が見やすい大型店の出店を加速し、ECの利便性も高めた結果、双方の買い回りも増えている。
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グラフィックを見せる商品の幅を広げることで、好きなコンテンツに囲まれた暮らしを提供し、差別化したい考えだ。
アニメやゲーム、イラストレーターなどとの協業で、ファンの心に響くデザインができるのが強みだ。自社キャラクターの商品も強化しており、「ビューティフルシャドー」など関連アイテムの年間売上高が約20億円に達するものある。
店舗はTシャツを売るための約50平方メートルの店から、約165~500平方メートルのに大型化している。自社キャラクターや協業商品の魅力が伝わりやすい店も増やす。12月に東京・原宿に出した「グラニフ東京」はテーマごとにブースを区切りカフェも併設した。こうした工夫をした店を今後、全国で10~15店出す考えだ。
ECで購入した商品の店舗受け取りや、ウェブで店舗在庫を確認できる機能など利便性も高めた。年1回以上購入する会員は、21年の35万人から23年は55万人に増えた。店舗とECの双方を利用する会員の割合も13%から28%に高まった。
全体の売上高に占める会員比率は約7割に達した。より詳しい購買データが得られるようになったため、生産量の予測やファンが喜ぶ商品の企画に生かす。
村田昭彦CEO(最高経営責任者)は「メインの30~40代から若者、年配者まで客層が広がっている。Tシャツ以外のアイテムでもグラニフの認知度を上げたい」と話す。