進路分かれるGMS 改革継続で成長目指すイオン、セブン&アイはヨーカ堂上場へ

2024/04/12 07:59 更新


 イオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)でGMS(総合小売業)の行方が大きく分かれる。イオンは、これまでの在庫やオペレーション人員の圧縮といった構造改革を踏まえ、ワンストップショッピングの魅力を打ち出しながら「安定的に成長できる」(吉田昭夫イオン社長)とする。一方、セブン&アイHDは、「新しい成長の仕方を示せた」(井阪隆一セブン&アイHD社長)とし、首都圏への集約や自主アパレルからの撤退、食分野の強化など総合から変容する構造改革の先にイトーヨーカ堂の上場を目指すことになった。

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 イオンではGMSを「難しさから、同じモデルをやるところが少なくなっている」としつつも、再編が進んだイオン北海道、イオン東北、イオン九州といった地域法人でGMSを含めたマルチフォーマットを武器にする。イオンリテールは24年2月期、5期ぶりに経常黒字を確保したとはいえ収益性は高いとは言えないが、「課題はあるが伸び代と考えている」と引き続き改革を継続しながらGMSの成長を見込んでいる。

吉田イオン社長

 セブン&アイHDではヨーカ堂は25年度でのEBITDA(金利・償却・税引き前利益)550億円が必達の目標になるが、以降については「独自の規律を通じて成長する形がいい」として、主力のコンビニエンスストア事業と分ける。食分野の連携は維持を前提とするため「グループからの離脱は考えない」というが、「連結はこだわらない」形を検討している。

井阪セブン&アイHD社長


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