EC支援サービス「フューチャーショップ」を運営するフューチャーショップ(大阪市)は23年度から、物流サービスの連携強化を全体方針とした。連携サービスを増やすことでユーザーの特質に沿った物流サービス選定を支援する。ECサイトの特性に応じた物流サービスの連携はECサービス全体の向上につながり、EC顧客の離反抑制が期待できるとしている。
(津田茂樹)
物流業界では労働人口減少や、時間外労働の上限規制などの働き方改革関連法の施行による「2024年問題」などで配送能力の低下が懸念されている。配送能力の低下はEC店舗のサービス品質の低下と見られる恐れがあり、物流品質の向上が必須と考えていた。ECに関わる相談をワンストップで受ける体制を目指す同社にとって、物流サービスの連携強化は課題だった。
同社はかねてから、EC物流プラットフォームのはぴロジ、ロジレス、フルフィルメント・バイ・ゾゾやEC物流アウトソーシングのロジモ・プロと連携していた。物流サービスの連携を強化方針とした8月以降、EC物流代行サービスの富士ロジテックホールディングス、EC物流の全てのフローがプラットフォーム上で完結できる物流システムのマイロジと連携を開始。新たな連携についてはサービス無料期間を設けるなどの新規導入キャンペーンも行われている。今後も物流サービスの連携はさらに増やす予定。
同社がフューチャーショップ利用のECショップに物流業者の選定理由を調べたところ、多くが価格を理由にしており、価格以外のサービス内容の比較検討がされていないケースが多く見られた。選定にはサービスが多様なことに加え、物流センターで使われる在庫管理システム(WMS)なども選ばなければならず、手間に加えて知識も必要となる。そのため比較検討を価格だけにする傾向が強くなっている。
フューチャーショップが物流各社との連携を増やし、各サービスの特徴を把握することで、フューチャーショップ利用のECショップユーザーの業種、特性に合わせて適切な物流サービスを提案することができるようになる。またフューチャーショップの注文管理システムで一元化されたデータが選定先のWMSと連携することで、EC業務の効率化がさらに進められるとしている。