水泳用品などを企画・製造・販売するフットマーク(東京、三瓶芳社長)は4月19日、男女でデザインが同じジェンダーレス水着の本格販売を始めた。体のラインが目立たない、ゆったりとしたシルエットのセパレートタイプで、性別なども気にせず水泳の授業に参加できるよう開発した。既に3校が導入し、現在200校が採用を検討している。
「男女共用セパレーツ水着」は、長袖の上着とハーフパンツからなるジェンダーレス対応品。120センチから4Lまでの10サイズ展開で、主に小・中学生が対象。色は紺のみで、税込み6710~7150円。
フットマークによると、ラッシュガードを除いて「男女同じデザインのスクール水着を作るメーカーはない」(学校教育事業部の白川純也部門長)という。
価格は一般的なスクール水着(男子)の3倍ほどだが、「今商品を指定水着の選択肢の一つにした学校では、新規購入者の8割から選ばれている」。同社の独自調査でも「肌を露出したくない」と思う児童・生徒が男女問わず増えていることから、本格販売を判断。現在、女子用で30種・男子用で15種のスクール水着を展開し、年間数十万枚を販売しているが、ゆくゆくは男女共用セパレーツ水着に一本化する考え。問屋や小売店の在庫リスクを軽減できるメリットもあると見ている。
開発のきっかけは、LGBTQ(性的少数者)への理解・関心の高まり。同社には学校教員から直接、「ジェンダーで悩む生徒に適した水着はないか」という声も寄せられ、年々同様の問い合わせも増えていたという。制服でも男女共用デザインが出てきたことから、ジェンダーレス対応の水着開発を本格化。22年にテスト販売を始めた。
23年は200以上の学校にアプローチしているほか、一般向けにオンライン販売も始めた。24年には水着の上下バラ売りと新色(黒)の導入を検討している。