FFPグランプリに川尻優さん 13日から国立新美術館で作品展示

2023/12/06 18:00 更新


グランプリに選ばれた川尻さんの作品

 社会的責任と創造性を併せ持つデザイナーの育成・発掘を目指すファッション・フロンティア・プログラム(FFP、主催はユニステップス)は12月5日、東京の九段ハウスで23年度の最終審議会と授賞式を行った。

 1次審査と中間審査を経て選抜した23年度のファイナリスト7人の中から、グランプリに選ばれたのは川尻優さん。知人の実家のクローゼットに眠っていたスカーフやブラウス、山梨の古民家に残されていた半纏(はんてん)の裏地を、ほどいたり裂いたりし、撚りをかけて紡いだ糸から新しいドレスを生み出した。

左からモーザーさん、川尻さん、池部さん

 準グランプリは、ジュリア・モーザーさんと池部ヒロトさんが選ばれた。モーザーさんはドナウ川のバクテリアで染色した再生ポリエステル、池部さんは通常は廃棄される繭の外側のキビソや製糸工場の残布から生み出したレザーのような質感の素材で、服を作り上げた。今期のプログラムに参加したファイナリストと昨年の受賞者の作品は、東京・国立新美術館で12月13~25日に展示する。

準グランプリのモーザーさんの作品
準グランプリの池部さんの作品

 プログラムの発起人で審査員も務めるデザイナーの中里唯馬さんは、「3年目を迎えた今回は海外から審査員や応募者も迎え、さらにレベルアップした。ファイナリスト7人と昨年の受賞者2人の視点からの発信をもとに、議論や対話が生まれてほしい」と話した。



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