日本の繊維産業は地域ごとに特色のある製品を生産してきた。例えば北陸は合繊織物、兵庫県西脇市を中心とした播州は先染め綿織物、愛知県一宮市などの尾州は毛織物と、その地域に根差した企業が分業によって地域特有の繊維製品を生産する。
こうした製造・加工企業が集積し、同一業種に属する製品を生産する地域を産地と呼ぶ。分業による柔軟な生産体制を強みに国内産地は成長してきたが、この20年は輸入品の増加や海外への工場移転などから、産地出荷額は減少を続け、産地によっては分業が成り立たないケースもでてきた。そのため他産地との連携や交流も進みつつある。