ファッション須賀は19年夏から、新事業やアパレルと生活雑貨の複合業態の新規出店を進める。今年4月に創業45周年を迎えた同社は、アパレルだけではなく、雑貨店や飲食店の運営など様々なビジネスを柔軟にしてきた。その多様性を強みに生かす。
具体的に三つの事業に取り組む。一つは、今年6月にセレクトショップ「デスペラード」を運営するパノラマの卸、小売り事業を100%子会社化し、新会社デスぺラードを設立した。8月から事業を本格化する。デスペラードの社長には、ファッション須賀の須賀次雄社長が就き、パノラマの社長であった泉英一氏は取締役に就いた。
デスぺラードでは引き続き、泉氏がディレクションとバイイングをし、今後はオリジナル商品の販売も検討する。商品企画には、ファッション須賀のレディス「ハク」やボーイズ「ハッカボーイ」などを手掛ける速水裕司氏も携わる。
「アパレル業界は変化し続けないと厳しい」と須賀社長。泉氏の将来性あるブランドやデザイナーの目利き力と、ファッション須賀が長年培ってきた商品企画や店舗運営のノウハウで相乗効果を狙う。
二つ目は、イオンモール幕張新都心に出店している飲食店「カフェアール」に配善ロボットを1台導入する。時期は8月下旬から9月上旬を予定。販管費を抑えて利益の向上につなげるのが目的だ。
同店はキッズ向けのセレクト業態「リボンハッカキッズ」に併設し、ファミリー層がターゲット。ロボットの運用は子供が喜ぶエンターテインメント性もあり、集客力アップにも期待できる。
三つ目は生活雑貨業態「マディ」を含む新業態で、数店の新規出店を今秋から来春にかけて進める。今年9月には熊本市に開業する複合商業施設「サクラマチクマモト」にマディの出店が決まっている。
店頭では一例としてベビーギフトやバッグ「グレンタ」など、同社のブランドを一つの店に集積し、複数業態の魅力を引き出す店舗作りを目指す。
既存店の刷新も進めている。オープン25周年を迎えた「エンカウンターマディアオヤマ」は今年2月、併設する「カフェマディ」とともにリニューアルした。陶芸作家の作品の受注会などができるフリースペースも設け、顧客からの反応も良い。
19年7月期の売上高は、前期比横ばいの見通しだ。ベビーの売り上げがやや失速気味だが、東京ミッドタウンや表参道ヒルズ、六本木ヒルズなど、都内の有力な商業施設では奮闘している。今春夏から販売しているハッカボーイも堅調に伸びている。

