「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。
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MDとECを制するためには損益計算を極めよ!

マサさんのMD設計って、会計学がベースになっているじゃないですか。この点もECに共通すると思っていて、僕がよく決算分析記事を書くのも、そこに理由があるんです。
オンラインストアって、知らず知らずに広告宣伝費がかさんでいくんですよ。そこをちゃんと確認するためにも損益計算をして確認したほうがいいよと言っているんです。

でも、何でそんなにかさむの?主にウェブ広告が主体になるとは思うんだけど。

その通りなんですが、例えばあるブランドが雑誌に掲載されるとします。それをお客さまがたまたま手に取って読んで、ブランドのことを知り、店やオンラインストアを閲覧ってことがありますよね。ウェブ広告ではそれをなかなか再現できないんです。
インスタグラム広告はまだその機能がありますが、それでも雑誌やマスメディアに比べるとインパクトが弱い。ウェブ広告は既存顧客に見せることも多いので、売り上げが伸びないケースも多いんですよね。
そうこうしているうちに広告宣伝費が上がっていって、結果、営業利益が増えないという事態に見舞われることがめちゃくちゃ多いんですよ。

それは無駄に広告を打っているってことだね。
僕が教えているMDでは、カテゴリーごとに今年はこれくらいの予算で、その中でどんな商品をつくるか考える、という組み方をしているよ。だから、ECでも必要経費をちゃんと予算を組んでいこうという話だよね。

まさにそういうことです!
ECの場合はほかにも、荷造運賃とかスタッフのコーディネート投稿の機能とかサービス料や勘定科目がかさばるんです。
実店舗を運営するよりも簡単に店ができるようなイメージがあるかもしれないけど、運用を間違えると普通に赤字になります。
費用対効果が感じられない宣伝広告費で経営を圧迫していませんか?って感じるんです。だから、損益計算を常に見るようにしましょうと、Fashion Re:ducationの講義でも言っているんです。

MDとしても、EC側に言いたいことがあるんだけどいいかな。
よく自社のオンラインストアや大手ECモールでもクーポンを良く出しているよね。あれで割引された分を粗利益が下がったとして計算できるとMD的にはいいんだけど、それができない場合があるんだよね。
特にクーポンを利用した割引って、その分を“販売促進費(値引き分)”として計上されてしまう。そうなると、MD的には損益計算の出し方が変わってしまうから、正確なデータが取れない。
だからEC担当者には、宣伝広告費だけでなく、粗利益や営業利益も注視して欲しいんだよね。

確かにそうですね。あのクーポン施策ってウェブ広告とすごく相性がいいから、それで広告宣伝費も増えちゃうんですよ。粗利が削られて、最終的には営業利益が減りやすい。

ぱっと見ではECの売り上げが上がっているように見えるけど、利益は出ていない。むしろ赤字になっているというのは、そういうことだよね。

いやぁ~、今回も横で聞いていただけですが、勉強になりました!販売員は数字が苦手な方が多いんです。でも、こういった数字に関する話も聞いておくと、接客以外で数字につながるヒントも得られそうですよね。特に店長とかエリアマネジャーとか……。
◇
ということで次回は、MDとECだけでなく、店頭にも関わる販売促進の話へと続きます。
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■登場人物

MDコース講師:佐藤正臣
「数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。

販売コース講師:平山枝美
接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。

ECコース講師:深地雅也
ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。
■Fashion Re:ducation
ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。
