「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。
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“なんとなくやってる”ポップアップ、意味あるの?

EC運用の支援をしていると、最近ポップアップイベントを企画するブランドが増えているんですよね。オンラインストアだと売りにくい商品が、実際に商品を手に取って見られることで売れる確率が上がりますからね。

たしかにポップアップやっているところ増えているよね。

私もポップアップストアをやっているブランドさんとのお取引あります。

ですよね。最近、お知り合いのブランドの店頭に立たせてもらっているんですけど、ECとの連動がほぼないんですよ。反対にEC側からも店頭の情報を収集する動きが無くて、もったいないなという印象を受けています。
そもそもポップアップって、EC施策的には指名検索が伸びる要因になるので、良い面があるんですよ。

先に見解を言うと「そのポップアップをやる目的はなんですか?」ということを、始める前にブランドが考えないとダメだよね。個人的には、全国周って小銭を稼ぎたいっていう理由でもいいと思うんだけど。

そうなんですよ。あんまり考えてないのかな?と思うことがよくあります。ポップアップは、来店されたお客さまをいかにオンラインストアへ送客するか、という目的がある。
でも現場で話を聞くと、特にD2Cブランドでは商品面、人材面でそれぞれ課題があるそうです。例えば、基本的な接客の仕方や店舗運営の知識がないとか。

確かにポップアップの店頭を見ていると、お声がけとか、会話が苦手なんだなって感じます。でも、店頭にデザイナーさんや商品づくりにたずさわっている方がいらっしゃって、直接お話すると「やっぱり提案が上手だな」って思います。作っている方は商品の一番理解者だから、良いところを伝えられるんですよね。

それはありますよね!価格帯にもよりますけど、オンラインストアって商品画像がいくら良くても、即決で購買につながらないのが現実なんで、ポップアップイベントで作り手から話が聞けたりするのが良かったりするんですよね。
だけど、そこでブランドに興味関心を持ってオンラインストアを訪問しても、コンテンツが充実していなかったり、店頭で見た商品がどれなのかが不明瞭だったり、購買後の通知が徹底されていなかったり……と、EC側と店頭が上手く連動させていくことが重要なのにできていないところが多いんです。やれること、たくさんあるんですけどね……。

次回は、販売とECで実行するべき内容について、さらに具体的な話をしていきます。お客さまとの接点になる店頭とECがどうすれば連動できるのか考えていきます。
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■登場人物

MDコース講師:佐藤正臣
「数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。

販売コース講師:平山枝美
接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。

ECコース講師:深地雅也
ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。
■Fashion Re:ducation
ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。
