ファナティック 動画活用した新サービス「ザッピング」

2021/03/24 10:58 更新


短い動画を入り口に、店頭の接客に近い体験を提供(写真はドットエスティ)

 アパレルEC運用支援のファナティック(東京、野田大介社長)が新たなサービス「ザッピング」の提供を始めた。店頭スタッフが「ストーリーズ」などSNS用に撮影する動画を専用アプリで投稿するとECサイト上に表示される仕組み。連続再生できるので、様々な情報が途切れなく取得でき、ユーザーは予期せぬ商品に出合うことも。「店頭で色々な商品に触れるような体験をサイト上でも提供したかった」と野田社長。アダストリアの自社モール「ドットエスティ」が導入したほか、一部商業施設とも契約が決まっている。

 ストーリー型オンライン接客ツールと呼ぶザッピングは、ウェブサイトやECサイト上に動画を掲載できるツール。トップページやブランドページ、購入完了ページなど指定の場所に表示させられる。「オンライン接客は丁寧だが手間がかかるし、動画作成もハードルが高い。でも、インスタ用に撮影しているものだったら気軽」。インスタでは反映されないリンクも埋め込める。

 ユーザーは、ECサイト内で商品情報を得るためにページ移動を繰り返す必要がある。今では当たり前の手間だが、「その煩わしさを解消したかった」。情報量の多い動画であればそこで完結できる。移動しない1画面の連続再生を没入して見ていると、目的ではなかった商品やサービスに出合うこともあり得る。

 商業施設であれば、アパレルだけでなく飲食やエンターテインメントなど多様な商品やサービスを現場スタッフが短い動画で紹介するユースケースもありそうだ。「意外な発見や出会いがあるのが買い物の醍醐(だいご)味のはず。仮想ではあるが、リアル店で味わえるような体験をEC上でも実現できる」。動画再生の成果も可視化できるため、投稿者の評価にもつなげられる。

 初期導入費用は30万円で、データ転送量により月額5万円と10万円の2パターン。前者で約100時間、後者で500時間再生できる。導入の際はHTMLタグを埋め込むだけの簡単実装だ。「動画撮影など、すでにやっていることの延長で済むからハードルは低いはず。今の一般的なECサイトが古いと感じられるようなサービスになれば」と野田社長は話している。



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