【今日は何の日?】ドガの友人とスラウチハットの関係

2017/09/27 04:25 更新


Artur Balytskyi / Shutterstock.com

 1917年9月27日は、ドガが世を去った日です。フランス印象派の画家、エドガー・ドガは1834年7月19日にパリに生まれていますから、83年の人生だったことになります。

 ドガに親しい気持を抱いていたのが、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック。彼は孤高の画家でもありました。ゴッホらを別にすれば、同時代の画家との交流はほとんどありませんでした。むしろ下町のキャバレーにたむろする市井の人々と交わった。でも、ドガだけは例外だったのです。ロートレックはドガの絵はとても大切にしていたそうです。

 ロートレックが描いたポスターに「アンバサドールのアリスティード・ブリュアン」があります。黒いマントに赤いマフラー姿のアリスティード・ブリュアンの姿。ブリュアンは今でいうシンガーソングライターで、自作の歌を歌う。それがなんとも卑猥(ひわい)だった。

 が、それが面白いというので、英国皇太子もお忍びで足を運んだという。彼がかぶっているのが「スラウチ・ハット」。黒い、ツバ広の帽子で、ブリムを軽く下げてかぶるのが特徴のものです。(服飾評論家・出石尚三)

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