1970年代のオイルショック時はインフレと景気停滞が同時に進むスタグフレーションが起きた。今回は大丈夫だろうか。今週、繊研合繊賞・天然繊維特別賞の贈呈式が開かれた。各社経営トップに中東情勢悪化による事業への影響や対応を聞いた。
帝人の内川哲茂社長は、「想定を超える出来事が毎年のように起こる。備えだけでは足りず、どう対応するかが大切」と変化への対応力を鍵に挙げる。紛争の長期化で原油価格の高騰が続けば、「ポリエステルなど汎用品の値段は上げざるを得ない」と心配する。
東レの沓澤徹専務執行役員繊維事業本部長は、「状況が見通せず、事業への影響は読めない」とした上で、中東民族衣装向けへの影響や原油価格高騰を懸念。物流の停滞で、「中国などでも原材料が入ってこない状態が起きつつある」とサプライチェーンにも不安が広がる。
中東民族衣装向け生地輸出に強い東洋紡せんいも「紛争が長引けば物流に大きな影響を及ぼす」という。出荷済みの商品を載せた船舶が海上で停泊しているケースが出ている。ただ「現地での商売自体は動いている」と当面生産は止めず、物流再開に備える。
事態が長期化すれば物価高騰を含め、事業に「影響が出る」ことは確実だ。コロナ禍でもそうだったように柔軟に対応し、踏ん張りながらも事業を継続する姿勢が重要だ。
