先日ある成長企業の人事担当者を取材した。同社は従来の常識にとらわれずに革新的な製品を次々と開発してきたメーカー。求める人物像を聞くと、「成長意欲があり前年踏襲にとらわれずに新しいことに挑戦する人」との答えだった。
モノがあふれている時代に新しい価値を創り、市場を創造していくことが企業には求められている。油断すると前年踏襲に陥りやすいのも事実だ。先の人事担当者の意見もそうした点を意識してのことだろう。
しかし「攻める」ためには、基本をおろそかにしてはならない。そして基本の大切さは若い時ほどよくわからないものだ。新入社員のころ、新しいことをやってやろうと意気込んで入社したものの、基本的なことばかりやらされてうんざりした記憶を持つ人も多いのではないか。ただ、今思えばそれが自身の基礎となっていることもある。
記者は日ごろから、社長や施設の館長・店長を取材することが多い。責任あるポジションに就く人ほど、基本を大切にしていることが共通する。例えば自店を案内してもらうとお客様に丁寧にあいさつしていたり、ゴミが落ちていたらすぐに拾ってポケットにしまったり。凡事徹底がよくわかる。
採用活動が本格化している。4月には新たな仲間が来る職場も多いだろう。新人にエールを送りつつ、自らも初心を忘れずにいたい。
