「ECサイトで買う理由は価格が安いから」。NTTレゾナントが実施した調査でこんな結果が出た。調査は2月にインターネットを使って行われ、1カ月以内にECサイトを利用した15~69歳の男女1035人から回答を得た。
今回の調査では「ECサイトの利用動向」に焦点を当てた。買い物の際に、実店舗ではなくECサイトを利用する理由を聞いたところ、「好きな時間に買い物ができる」(56.2%、複数回答)と「ECサイトの方が価格が安い」(53.9%)がそれぞれ5割を超えた。特に「価格の安さ」を挙げた人の割合は前回調査(22年3月)と比べて10ポイント以上増えた。
ECサイトで購入を迷ったとき、購入の後押しになったことを尋ねたところ「送料無料」が56.3%(複数回答)でトップだった。2位は「クーポン」(45.8%)、3位は「期間限定セール」(40.7%)となった。
期間限定セールや口コミ、SNS情報などよりも送料無料が購入の後押しになると答えた消費者が多かったことは、販促費用の振り分け先を検討する際の参考になるとする。
ECサイトを「また使いたい」「好きになる」「ブランドイメージが良くなる」と感じる要因を尋ねたところ、「価格が安い」が68.8%(複数回答)で1位だった。この質問でも消費者の低価格志向が浮き彫りになった。注目すべきなのは「商品が見つけやすい」(55.9%)が2位だったこと。以下、「配送が早い」(51.0%)、「特典がある(ポイントなど)」(46.5%)、「口コミの評価が高い」(41.6%)、「運営会社に対しての安心感がある」(37.8%)と続く。価格競争や送料無料といった利益を削る施策以外では、「商品の見つけやすさ」を改善することが、消費者から選ばれるECサイトを作るカギとなると考えられる。
ECサイトで商品を探していて、目的の商品が見つからなかったことはあるかという質問では、86.3%が「ある」と回答。商品が見つからなかったときの行動を聞いたところ、67.0%(複数回答)が「他のサイトで探す」と答えた。「実店舗に行く」は28.3%、「商品を買うことをあきらめた」が20.0%で、ECサイトで商品を見つけやすくすることは、機会損失を防ぐことにつながるとしている。