《異業種ECに学ぶ》ダブルデイ 商品の魅力を多面的に伝える

2020/12/31 06:27 更新


 阪急スタイルレーベルズのライフスタイルショップ「ダブルデイ」は、18年9月に直営ECを開設し、毎月安定して売り上げが取れるようになってきた。実店舗と同様、和食器の作家物にファンが付いており、リピーター獲得につながっている。バイヤーや作り手のこだわりを発信するコンテンツに加え、11月は新たに店舗スタッフのライフスタイルを紹介するページも設け、商品を多面的に紹介している。

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 商品構成は実店舗とほぼ変わらず、家具、インテリア雑貨、キッチン雑貨、ファブリック用品、婦人服を揃えている。実店舗は婦人服と服飾雑貨の売り上げ構成比が全体の25~30%と一番高いが、ECでは弱い。一方、ECはオリジナルのかご・バスケット類など、かさばって持ち帰りにくい商品が季節問わず売れている。和食器の作家物は、花柄などの可愛いデザインがよく売れ、9月は人気作家の作品を集めた「秋のうつわ祭」も実施した。

和食器がリピーター獲得に繋がっている

 ウェブ広告やSEO(検索エンジン最適化)対策で地道にEC売り上げを伸ばしてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急伸。緊急事態宣言発令で実店舗が休業したことで、実店舗エリアの客の購入が増えた。10万~20万円のソファや食器棚など、高単価な家具も想定以上に売れている。

 サイト表現では、商品の使用感や素材感が伝わる見せ方を重視。物作りの魅力を伝えるページ「手仕事トラベル」では、作家にまつわるエピソードや工房での製作の様子をテキストや動画で紹介している。11月に新設した「スタッフ巣ごもりアイデア」ページでは、商品を実際に愛用しているスタッフの部屋の写真とともに、「ソファだけど第二のベッドとしても最適」「テーブルに付いたコップの輪染みもオイルメンテナンスでなじみます」など、リアルな使い方を伝えている。

 還元ポイントはEC単独で、実店舗との連動はしていない。月1回のポイント5倍キャンペーンは顧客の認知度も高まっている。他に、年4回のポイント10倍と家具の配送料無料キャンペーンも実施している。

店舗スタッフのライフスタイルを紹介するページを新設した

《データ》

18年9月に開設。中心客層は30~40代の女性で、平均客単価は1万円前後。アンティーク家具は楽天市場で販売している。実店舗はNU茶屋町プラス店、イオンレイクタウンkaze店、コピス吉祥寺店など計18。

(繊研新聞本紙20年11月25日付)



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