10月の百貨店・スーパー販売額 3カ月ぶりのプラス

2021/11/30 06:28 更新


 経済産業省が11月29日に発表した10月の商業販売額は46兆8750億円(前年同月比5.0%増)で、8カ月連続で増加した。卸売業が34兆3230億円(6.6%増)で8カ月連続で増加したことに加え、小売業が12兆5520億円(0.9%増)で、3カ月ぶりに増加したことが寄与した。

 卸売業、小売業ともには原油高が大きな押し上げ要因となった。卸売業は原油高による石油や原材料費の上昇などによる鉱物・金属材料の伸びが大きく寄与した。繊維品は2.3%増加したが、衣服・身の回り品は9.0%減だった。

 小売業は原油高で25.9%増と大きく伸ばした燃料小売業を除くと、1.2%減。半導体の供給不足で自動車販売が19・5%減と落ち込んだ影響も大きかった。織物・衣服・身の回り品は百貨店が気温が低下した月中旬以降に重衣料が好調に売れて衣料品売り上げを伸ばしたものの、「小売業全体として気温が髙かった月前半の苦戦が大きく影響」し、2%減で、2カ月ぶりのマイナスとなった。

 百貨店・スーパーマーケットの合計販売額は1兆6518億円で、1.3%増、既存店は0.9%増で、いずれも3カ月ぶりに増加した。休日が前年同月よりも1日多かったことに加え、緊急事態宣言解除による外出増加などの効果が大きかった。百貨店は「入店客数が増え、高額品が好調」(経産省)で、3カ月ぶりのプラスとなった。スーパーは2カ月連続で増加。衣料品の落ち込みが引き続き大きかった一方、「内食需要の継続」(経産省)で主力商品である飲食料品が2.2%増、家具も4.8%増となり、全体を押し上げた。これらを踏まえた小売業販売全体の基調判断は「横ばい傾向」とし、7カ月連続で据え置いた。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事