大手百貨店の6月売上高(既存店ベース、速報値)は6社中3社が前年を上回った。ラグジュアリーブランドの衣料雑貨や宝飾品・時計が引き続き好調だったが、気温が低かった影響で、夏物が振るわなかった。セールの立ち上がり(28~30日)は初日の台風など悪天候で前年を下回った。
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三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店が2%減、三越日本橋本店が5.4%減、三越銀座店が1.8%減で、基幹店3店計が3%の減収となった。特選・宝飾が2ケタ増だったが、婦人服が6%減となった。気温が低かったことで、ジャケットが2ケタ増となったのと対照的に、夏物が苦戦した。
高島屋は特選衣料雑貨が12.6%増加したのをはじめ、紳士服、宝飾品が前年を上回った。婦人服2.6%減、婦人雑貨3.2%減、紳士雑貨2.3%減だった。大阪店、京都店、日本橋店がプラスだった。
大丸松坂屋百貨店は免税売上高が12%増加したほか、札幌店、心斎橋店、東京店、京都店、神戸店が前年を上回った。そごう・西武は婦人服、紳士服ともに3%減で、後半の伸び悩みが目立った。西武池袋本店は0.6%減だった。
阪急阪神百貨店は前年の大阪北部地震による売り上げ減の反動に加え、夏物が動いた。阪急うめだ本店は7.2%増で、婦人ファッション関連が8%増だった。G20期間中は客数が2割減ったが、婦人服、婦人特選が2ケタ増、免税売上高が11%増加して補った。近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が2.5%増で、催事などの集客効果で入店客数が5%増えた。
セールは昨年に比べて1日早まったが、前年実績(29日~7月1日)を下回った。「客数、売り上げともに1割減」(三越伊勢丹)、「衣料品を中心に立ち上がりの動きが鈍い」(大丸松坂屋百貨店、高島屋)という。