金属製品メーカーのオーミヤ(東大阪市、道野弘樹社長)は、ワーキングウェアブランド「カラフルファクトリー」を立ち上げ、オールシーズン用ジャケットとワークパンツの販売を開始した。「人が集まらない工場を、カラフルで人が集まる場所に変える」ことをコンセプトに〝明るい作業着〟を提案する。
(小川敬)
同社は水道配管継手や農業用資材の製造販売を行っており、道野社長は3代目。「ユニフォームを明るくポップにして、工場の雰囲気を明るくすることで、工場は薄暗く近寄りがたいというイメージを変えたい。工場に人が集まるようにし、中小製造業の人不足解消につなげたい」(道野社長)という思いから、同ブランドを立ち上げた。
暗い冬でも明るく過ごせるように、北欧の家具はカラフルでポップなデザインが多いことに着目。工場のユニフォームを変えるとともに、社内のコミュニケーションが活発化する仕組みも導入して、工場の魅力を高めることを狙った。カラフルファクトリーは中小製造業の人手不足解消をテーマにするものとして、21年に大阪府の経営革新計画に承認された。

ブランドディレクターにはインスタグラムのフォロワー数46万人を超える人気アウトドアブランド「DOD」(ディーオーディ)の事業責任者の寺田英志氏を迎えた。デザインは大阪文化服装学院と連携し、学生がブロック玩具から着想したデザインを採用した。製作は繊維関連製品の総合メーカーの三起(大阪市)に依頼し、「チーム大阪」で完成させた。
オールシーズンジャケットとワークパンツはともに1万1000円(税込み)。自社のホームページで販売している。ジャケットは、赤、青、緑、黄の4色。ユニフォームの色それぞれにチーム名があり、同じ社内でも抽選によって着用するユニフォームのカラーが決まる。
新卒、中途にかかわらず入社時に必ずこのイベントを行い、部署を超えた〝カラー〟が社内の組織を超えたコミュニケーションを生み出す。新しく入った人でもすぐに社内に溶け込めるようにした。

同社は23年5月に完成した第二社屋をカラフルファクトリーと命名。建物もカラフルでポップなデザインにした。道野社長は「日本の製造業で働きたいと思う人を増やし、製造業全体を盛り上げていくことをミッションにしたブランドを展開していく」とする。