第5回中国国際輸入博 出展ブース大幅減少 中国企業増加、役割も不明に

2022/11/08 06:26 更新


防疫体制が強められ、出展社数・ブースも大幅減で来場者も少なくなる予想

 【上海支局】第5回「中国国際輸入博覧会」が11月5日、上海・国家会展中心で始まった。今回は上海都市封鎖の影響、そして開催前からの防疫体制の徹底で、出展社数・ブースが大幅に縮小した。来場者数も減少する見通しだ。前回同様に14の大展示会場は使われてはいるものの、出展者不明のブース、空きスペースが多い。

 中国輸入博は18年から年1回・11月5~10日に開かれ、今年で5回目。20年開催の3回目まで出展規模は拡大していたが、21年から2900社と減少に転じた。今年は出展社数・ブースとも数字未公表だが、パンフレットから判断するとブース数は約1300で、半分以下となった。日系企業出展は約280社・団体。

消費品ファッションフロア

 出展社は、9割が以前に出展経験があり、海外企業は中国に法人を持つところが大半。中国への渡航が難しいこと、さらに4~5月の上海都市封鎖後から「今回は来場者が減り、出展効果が薄い可能性が高い」と予想されたのもある。実際に新規で出展を考えていた日本の中小企業の中には取りやめたところがある。一方、増えたのは中国の企業・商品。18年時点の海外商品での内需拡大を狙った輸入博の役割は薄れてきている。

LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン
ドルチェ&ガッバーナ

 ファッションを含む消費品ゾーンには、中国市場を重視するLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、リシュモン、ケリング、バーバリー、スワロフスキー、ドルチェ&ガッバーナといったラグジュアリー企業・ブランドが出展。インディテックス、H&Mも前年同様にブースを構えた。日系企業ではファーストリテイリング(ユニクロ)、アシックス、アツギなどが出展した。このほかジェトロ(日本貿易振興機構)が消費品、医療機器、食品農林水産の各区で日本品をアピールするジャパン・パビリオンを出して、試飲、手に取れるといった体験重視で来場者を呼び込んだ。

 開催初日は、昨年同様に政府関係者、メディアが中心のため、来場数は少なかったが、午後から人が増えた。事前登録者限定のため、6日間の来場数も少なくなる見通し。



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