中国の「独身の日」商戦 安く買う方程式は多様化

2017/11/10 11:00 更新


 いよいよ明日は「独身の日」――中国の11月11日商戦は数字の1が四つ並ぶのを独身者に見立て、ネットで買い物をしてもらおうと始まった。EC最大手のアリババ集団は、昨年の11日の1日だけで売上高が過去最高の1207億元を記録、その勢いは年々拡大している。

(上海支局)

 「今年は安く買うための方程式が複雑になっている」といった声が聞かれる。単純な値下げ競争ではなく、クーポン券や予約販売など売り手側も様々な手法を駆使して、消費者を自店舗に引き付けようとしている。例えばクーポン券をみると、買い物をする額が大きくなるほど割引率が高くなるほか、複数枚使えるクーポン、使える時間帯が決まっているクーポンなど様々だ。家電製品など高額品では予約販売が盛ん。あらかじめ一定額の頭金を振り込むと11日当日に安い値段で購入できる。

 「紅宝」と言われるイベントも行われている。これはネットを運営する企業が、ある時間になると11日だけ全ての店舗で使用可能な金券を配布する。突然、スマートフォンにイベント開始の知らせが来て、示されたアドレスをクリックすると、金券が降ってくる画面になり、そこで金券をつかむというもの。金券の額は少額から高額まであり、つかんでみなければ分からない。ちょっとしたゲーム感覚になっている。

 ネットと実店舗の融合も進んでいる。ユニクロは、ネット上で11日に販売する商品の価格を公表している。同時に店舗でも同価格で販売するとしており、実店舗への集客も目指している。アリババ集団と提携した百聯集団も、ネット上で割引セールを実施している。7~13日は5割引セールと銘打って日用品からブランド品まで値下げしている。欧州などの高級ブランドは保税倉庫からの配送となるが、日用品など一部の商品は実店舗でも受け取れる。上海市の上海新世界城も10月28日からセールを実施している。

地下鉄駅構内でも11月11日商戦の告知が目立つ


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