「いつかは自分の店を」。会社の副業制度を使って、その夢を実現した人がいる。阪急阪神百貨店の阪急メンズメディアプロモーション部アシスタントマネージャー、龍ケ江凛平さん(29)だ。「百貨店は一人ひとりの幸せを大切にする業態。当然、全社員の幸せも願う。君は幸せになれるのか」。副業申請は、山口俊比古社長からかけられた言葉がきっかけだった。
店主が語れる店
1月6日、奈良・ならまちに〝コミュニケーションリテール〟と位置付ける「Qcumber」(キューカンバー)がオープンした。龍ケ江さんが22年8月に建てた新築一戸建ての1階で、店舗面積は約33平方メートル。奈良の「HEP」のサンダルや「ヤハエ」の靴下、服は愛知の「エンハーモニックタヴァーン」や「オリキュレール」などジェンダーレスで着用できる、知る人ぞ知る商品が並ぶ。アート作品や佐賀出身の龍ケ江さんが選んだ〝私物〟とも言える有田焼などもある。「仕入れた商品を店主が語れる店」を条件とする取引先もあり、「大阪府内でも扱っていない商品がほとんど」だ。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!