7月1日から4日にかけて、25年春夏ベルリン・ファッションウィーク(BFW)が開かれた。7月とは思えない寒さに見舞われたが、2月に開催された24年秋冬コレクションと比べ、来場者、報道陣ともに数が増え、インターナショナルな顔触れも見ることができた。エキシビジョンも含め、春夏コレクションを発表したブランドは35、来場者数は約2万8500人と発表された。前シーズンとの大きな違いはやはりショー会場だろう。世界遺産の博物館やテントのようなデザインが象徴的なテンポドローム、厳かな劇場など、各ブランドごとに会場が異なり、演出にもそれぞれのこだわりを感じた。
(ライター・宮沢香奈)
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特に注目度が高かったのは、世界遺産の博物館が集結するムゼウムスインゼルに位置するアルテス博物館(旧博物館)の柱廊を会場に、2日目のフィナーレにふさわしい威厳あるショーを披露した「オデー」(ODEEH)だ。アブストラクトなフローラルプリントと鮮やかなカラーリングが印象的なオリジナルグラフィックや、サイドラインが印象的なカラフルなトラックパンツにショート丈のミニブレザーのコンビネーションなど、エレガンスとエクレクティックが対比するルックが登場。
伝統技術にこだわり続ける「オデー」だが、コレクションにテーマを付けないことにもこだわりを持つ。その理由についてデザイナーのオットー・ドラクスターとヨルグ・エールリヒは「テーマに縛られることなく、毎回新しいチャプターを表し、自由自在な女性のワードローブを創造しているから」と述べている。