バロック 5年後に売上高1000億円へ グローバル化推進

2019/04/17 06:30 更新


 バロックジャパンリミテッドは、5年間の新中期経営計画で、ニューリテール構想に基づきビジネスモデルを進化させる。デジタル技術などのイノベーションを積極的に活用し、グローバル化や新事業の開発も進める。最終年度の24年2月期には連結売上高1000億円、営業利益85億円を計画する。

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 店舗の販売力など自社の強みを生かしつつ、「イノベーションを掛け合わせることでグローバル企業を目指したい」と村井博之社長。

 ニューリテールの推進は、中国での合弁相手であるベル・インターナショナルの大株主がIT投資会社のヒルハウスになったことも大きい。ヒルハウスは、「ウィーチャット」を運営するテンセントなどにも出資している。すでに中国の一部店舗でICタグや顔認証カメラを使った実験をしている。将来的には中国全店に広げ、運営効率化で現地の人手不足にも対応する。蓄積したデータの分析、活用や、キャッシュレス化なども重点だ。

 会員サービス「シェルターパス」を通じて自社ECや実店舗の顧客購買データを蓄積し、オンラインでの顧客とのコミュニケーションなどにも活用する。

 グローバル化では、海外売上比率33%(現在24%)を目指す。「マウジー」と「エンフォルド」を軸に中国以外のアジアや欧米、中東で卸販売や出店を加速する。北米事業は黒字化した。マウジーの表参道店も海外客にアピールする重要な旗艦店ととらえ、リニューアルを計画する。中国事業は年間20~30の店舗数純増で、持続的な拡大を目指す。あわせて本社人員の外国人比率を現在の約3%から10%へ引き上げる。

 新事業開発は、社内にとどまらずオープンイノベーション型で進める。ビジネスアイデアを募集する「ネクスト・イズ・ユー」に加え、M&A(企業の合併・買収)や他社との提携なども広く想定している。

 既存事業では、SC向け主力ブランド「アズール・バイ・マウジー」の改善が課題だ。イノベーションを活用し、FC店が運営しやすい仕組みを再構築する。ICタグは20年2月期中に全店に広げる。ビッグデータに基づく大人の女性向け新ライン、「ベージ(BEGE)コレクション」も22日から投入する。

 設備投資額は5年で総額100億円を計画。SC向け新業態も視野に入れる。M&Aなどには追加で投資する。

「アズール・バイ・マウジー」は新ライン「ベージコレクション」を投入する


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