米国の関税政策などによる業績への影響は最大50億円――アシックスは5月15日、関税政策や物流費上昇などが最大50億円の利益圧迫要因になるとの見通しを発表した。ただ、米国向けランニングシューズ販売の好調などから、通期予想は据え置いた。
対策として米国向け商品を早く送り、7月には3カ月分の在庫を維持・確保できるよう努めている。連結売上高に占める米国比率(24年度実績)は、売上高が17.4%、営業利益は7.8%と「(米国市場でビジネスを展開する)他社に比べて影響は低い」(富永満之社長)。
通期業績は売上高7800億円(前期比15%増)、営業利益1200億円(19.9%増)を見込む。当初予想を据え置いたのは、関税政策などの影響が限定的でランニングシューズの販売が順調なため。北米ランニング専門店におけるロードランニング靴のシェアは、25年3月時点で20%(前年同月は12.2%)の2位(同3位)。「25年秋冬分の米国向けオーダーも前年比3割増で、トレンドに変化がない」という。
25年1~3月業績は全カテゴリーで増収し、四半期で初めて2000億円を超え、営業利益が過去最高になった。
富永社長は「50億円のリスクはあるものの、他のリージョンに米国の分も頑張ってもらえるだろう」と話す。