アシックス 12月期利益予想を上方修正 商品を高度化しデジタル強める

2021/11/12 06:28 更新


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廣田社長

 アシックスは21年12月期業績予想の利益を上方修正した。売上高は3950億円と変更していないが、営業利益は55億円増の200億円、経常利益も55億円増の190億円に修正した。廣田康人社長は「今年は商品ラインナップが揃い、トップアスリート向けのランニングシューズも高い評価を得ている。五輪をはじめ各大会でブランドを強く出せたことが追い風になった。来年に向けても商品の高度化を図りつつ、デジタルへの取り組みを強める」と強調する。

(小田茂)

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 第3四半期(1~9月)は昨年のコロナ禍の反動から大幅な増収増益となり、売上高は4年ぶりに3000億円を超えた。主力のランニング関連を中心に、地域別には全地域で増収となり、特に欧米、中国、オセアニアでは為替影響もあり軒並み30%以上の増収となった。営業利益は販売・管理費コントロールの強化もあり、第3四半期で6年ぶりに300億円を突破し、過去最高益となった。

 ECは欧州47%増、日本35.7%増、中華圏22.7%増など計28%増と大幅に増加。会員組織「ワンアシックス」は前年同期比56%増の500万人に増えた。デジタルサービスの提供に力を入れており、カシオ計算機とは共創事業の第2弾としてウォーキング用スマートフォンアプリ「ウォークメトリックス」を10月に公開した。現状、ホールセール(卸売事業)とDtoC(メーカー直販)の比率は7対3ほどだが、これをさらに高めて収益性を向上させる考えだ。

 ランニングシューズではトップアスリート向けの「メタスピード」の新作を3月、6月に投入、国内外の大会で同シューズの着用率が上昇している。東京五輪ではブランドをアピールし、「スポーツの持つ力を実感できた」。しかし、ライセンス商品の販売は無観客開催となり当初計画を大幅に下回った。今後は「大会で上がったブランド価値を、どう実際のビジネスに生かすか」を課題とする。今後もマーケティング費用総額は維持しながら、テニスのコーチやランニングのリーダーなど「草の根からの新しいマーケティング」も模索していく。

走法別に設計したランニングシューズ「メタスピード」を履いた選手が国内外の競技大会で活躍している

 一方、コロナ禍で一部のベトナムの工場で稼働停止が発生した。10月からは工場が稼働を再開し、年内に段階的に稼働率を上げ、来年には通常稼働に戻る見込み。ホーチミンなどは回復してきており、「足元で工場は80%回復」している状況。しかし、「ベトナム集中は避ける必要があると痛切に感じた」として、アジアでの生産拠点の分散化も検討している。生産問題の影響は第4四半期から来年頭まで残ると予想している。

 ファッションブランド「オニツカタイガー」は中国や東南アジアがけん引し、第3四半期で20%の増収となった。2月にはミラノ・ファッションウィークに初めて参加し、ミラノとロンドンを中心に欧州でもブランドの活動範囲を徐々に広げている。中国では北京王府井で初の「ジ・オニツカ」を1月に出店し、米国では3月にビバリーヒルズで西海岸初の旗艦店、英国では5月にロンドンで世界最大の旗艦店をオープンした。今後もマレーシアや中国・成都に大型店を出店し、日本のインバウンド(訪日外国人)需要の減少を補う。中国では限定商品を投入し、広告投資の強化によりEC売上高を拡大する。商品開発ではリサイクル素材を重視し、多様化する社会を意識したイベントへの協賛も継続する。

「オニツカタイガー」は5月にロンドンで世界最大の旗艦店をオープン

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