アリババグループ 「独身の日」キックオフイベント

2019/10/24 06:30 更新


今年は4線、5線都市からの利用を促進する

 【上海支局】アリババグループは21日、上海で「独身の日」商戦のキックオフイベントを開いた。11回目となる今回の商戦を、「新たな10年の1年目と位置付け、新たな消費、新たなビジネスに加えエコを打ち出していく」(蒋凡天猫淘宝総裁)という。

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 今年は11月11日の当日に昨年より1億人多い5億人以上の消費者が参加する見込み。特に4線、5線といわれる地方都市からの利用を促進する。参加ブランドは20万以上、発売される新商品は100万以上になる。期間中は紅包(祝儀袋)20億元をはじめとした様々なキャンペーンで、総額500億元の割引を行う。

 中国での生活様式の変化を受け天猫は新ブランドの発売にも力を入れている。オンラインとオフラインの融合が急速に進む中国で、「ネットで新商品を発売する効果は大きい」(天猫FMCG事業部)と指摘する。イベントに参加するブランド関係者からも、「天猫から提供されるデータは次の商品開発に役立っている」との声が聞かれた。

 天猫としては新商品開発での協力を通じて、天猫独自商品を増やし、消費者の囲い込みを加速したいとの思惑もある。今回の商戦を機に、旗艦店のバージョンアップも進める。数カ月前から配布の始まった新しいバージョンは、AR(拡張現実)などを使って今まで以上に消費者との関係を深められるようになっている。

 エコへの取り組みを本格化する。独身の日の数日後に郵便局などからあふれ出る段ボールは、今や風物詩。グループ企業の物流会社菜鳥網絡は、昨年まで荷物を届けた時に段ボールや包装紙を回収していた。今年は、全国7万5000カ所にリサイクルステーションを設置、11月20日をリサイクルに注力する日として、消費者の参加を呼びかける。協力した人に対しては、アント・ファイナンシャルが支付宝(アリペイ)で提供する個人向けの炭素口座「アント・フォレスト」にエコポイントを付与する。



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