【第19回アジア太平洋小売業者大会から①】オンラインとオフラインの一体化進む

2019/10/12 06:28 更新


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《新しい小売り、消費、潮流~第19回アジア太平洋小売業者大会から①》オンラインとオフラインの一体化進む

 アジア・太平洋地域の小売業界最大のビジネスイベント「第19回アジア太平洋小売業者大会」が中国・重慶市の重慶悦来国際会議場で9月5~7日に開かれた。日本を含む19カ国・地域から約3900人の小売り・流通、物流関係者などが参加、「新しい小売り、新しい消費、新しい潮流」をテーマに、各国・地域の業界団体や有力企業の幹部によるセッションが行われた。

 大会全体を通じて、デジタル技術の進展やEC、新たなキャッシュレス決済手段の広がりなどを背景に、技術を活用した新たな取り組みが紹介されたほか、ネット時代に直面する小売業の課題や顧客サービスを軸にした実店舗のあり方が提起された。

 デジタル技術の活用やスマートフォン決済などが急速に広がる中国からはアリババグループ、ウーマートグループなどがセッションで、今後の小売業の方向性を提起した。

■アライアンスが重要

 ウーマートグループの会長兼創業者の張文中氏はオンラインとオフラインを一体化したアプリ「Dマート」の取り組みについて報告した。Dマートは15年4月に開設、現在の有効ユーザー数は約7500万人、参加するサプライヤーは約70社に達し、「巨大な進歩を遂げることができた」という。

 張氏は「多くの小売業者がDマートと組んで成功した。オンラインビジネスは1社の力だけではできない。アライアンスこそが重要だ」と強調した。また、北京のウーマートの客の約75%がDマートでも買い物しているデータを示し、「オンラインとオフラインのユーザーを区別することは無意味」と語った。

■高品質品を適正価格で

 アリババグループの陳暁東副総裁兼銀泰商業CEO(最高経営責任者)も「今の若い世代を中心とした消費者の購買行動や嗜好(しこう)を見れば、2年後にはオンライン、オフラインという言葉自体が死語になるだろう。それほど、オンラインとオフラインの融合は進んでいる」と話した。その上で、「オンライン、オフラインにかかわらず、全ての小売りはお客を真ん中に置き、信頼性がある商品とサービスを提供しなければならない。一人のお客は一つのシナリオに沿って生活し、購買しており、オンライン、オフラインで得たデータを集中させて活用することが不可欠だ」と強調した。さらに、今後は「全てのファクターをデジタル化した上で、ネットワーク化と効率向上のためのスマート化が求められる」とした。

 同グループのオンライン・オフライン融合型のスーパー、フーマーはICタグの活用や包装の自動化などによって、スマートフォンアプリや実店舗で消費者が注文した生鮮食品などを、3キロ圏内であれば、30分以内で配送できる事業を行い、成長している。

 単に消費者の利便性を追求するだけでなく、商品を自社で生産業者から直接調達することで「コストを下げ、高品質な商品を適正価格で提供できる仕組みを整備した」(郭旭林アリババ・フレシッポビジネスグループCEOチーフスタッフ兼アシスタント)。

 オンラインと実店舗の在庫管理を一元化していることも効率化とコスト抑制につながっている。郭氏は「オンラインとオフラインのそれぞれのメリットを結び付けて、同じサービスを提供していることが顧客満足向上に結び付いている」と強調した。

基調講演するアリババグループの陳副総裁

(繊研新聞本紙19年9月19日付)


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